「眇める」の意味
「眇める」は「すがめる」と読み、片目を細める、片目を細めて物を見る、という意味があります。
【例】
- 日差しが強いので、目を眇めながら日傘を探した。
- 鉄砲で確実に弾を当てるには、目を眇めて余計なものを見ないようにすることが大事です。
- 矢をつがえ、目を眇めて的を見据える。
慣用句「矯めつ眇めつ」
「眇める」という言葉は単独で使う機会があまりない言葉です。耳にしたことがないという人も多いでしょう。そういった方も、「矯めつ眇めつ(ためつすがめつ)」という語には聞き覚えがあるのではないでしょうか。
「ためつすがめつ」は、「矯める」と「眇める」の文語形の動詞が、並列を表す「~つ~つ」の形で繋げられています。
「矯(た)む」とは、「眼を据えて見る、じっと見る」、という意味を持つ言葉です。「眇(すが)む」とは、前述のとおり、「片方の目で見る、片目を細めて見る」様子を表します。また、「~つ~つ」とは、「…たり、…たりする」という意味です。
これらを合わせて、「ためつすがめつ」とは、何かをあちこちから念入りにみる様子、を表す言葉になります。
【例】
- 贋作だというモナ・リザの絵をためつすがめつ眺めてみたが、どこが違うのか分からない。
- 探偵は、その唯一の遺留品をためつすがめつしては、何か呟いていた。
「眇める」=目を細める?
「眇める」は本来は「片目を細くする」ことを意味しますが、「目を細くする」の意と勘違いしている例が散見されます。
- 目を眇める。
- 片目を眇めて見る。
- 両目を眇めてじっと見たら、見つかった。
しかし、インターネット上で「眇める」の画像を検索すると、両目を細めた画像に「眇める」とキャプションがついている例も見つかります。他の多くの言葉と同様、「眇める」の意味も変化しつつあるのでしょうね。
「眇める」と「眇(すがめ)」の違い
「眇める」の派生名詞である「眇(すがめ)」という言葉があります。「眇める」と同じ意味もありますが、「横目遣い」など全く違う意味で使われることが多く、知らずにいると誤解してしまうかもしれません。
【眇(すがめ)の意味】
- 片方の目が細いこと、片目が悪いこと
- 斜視
- 瞳を片方へ寄せて見ること、流し目、横目
- 不動明王像の目は、右目は見開き、左目は眇になっており、これは天地眼と呼ばれる。
- 道端で人が倒れているのに、眇に見るだけで通り過ぎる人の多いことに驚いた。