「人道にもとる」の意味と使用例
「人道にもとる」(読み:じんどうにもとる)とは、人が従うべきとされる道徳や規範を守らない、人として常識に欠けることを平気でしているという意味です。対象となる人を非難する時に用います。
犯罪だけでなく多くの人にとって迷惑に感じられる行動、嘘をついたり、人の心を傷つけたりするような日常生活で許されない行為全般について「人道にもとる」が使えるでしょう。
【使用例】
- 彼がしたことは、人道にもとる。
- 彼は、人道にもとるような信じられないやり方をする。
- 人をだまして金品を巻き上げるのは、人道にもとる行為だ。
「人道」と「もとる」の語句について
「人道にもとる」を「人道」と「もとる」というように、それぞれの語句に分けて説明します。
「人道」とは?
「人道」とは、文字通り「人の道」という意味です。人として守るべき道理や人間としてするべき行動や振る舞いなどを指しています。「人道にもとる」という場合は、こちらの意味で使われます。
他に、人間が歩くように設けられている道、すなわち「歩道」という意味で使われることもあります。
「もとる」とは?
「もとる」は五段活用の動詞です。漢字で書くと「悖る」です。あまり書いたり見たりする機会がないかもしれません。
「もとる」は物事の原則や道理などに反して行動している意味です。文書などに記録されていない決まりに反する場合にも用いることができます。
例えば、多くの人の意識の中で共有されている「常識」からかけ離れたようなことをしている場合にも使われます。
「人道にもとる」の類語表現
「人道にもとる」の類語表現を紹介します。
【類語 使用例】
- 倫理に反する(読み:りんりにはんする)…社会生活が規則正しく行われるべき決まりを守らないこと。「倫理に反する迷惑行為はするな。」
- 人の道を外れる(読み:ひとのみちをはずれる)…人間が生活をしていく上で守らなくてはいけない規範から逸脱すること。「犯罪を犯すことは、人の道を外れることに等しい。」
「人道にもとる」の反対表現
「人道にもとる」と反対の意味の表現を紹介します。
【反対語 使用例】
- 律する(読み:りっする)…ある基準に合った決まりに従って行動をすること。「自らを律する厳しい人だ。」