「箸にも棒にも」とは?意味や使い方をご紹介

「箸にも棒にも」とくれば続きが何か皆さんもよくご存じでしょう。「箸にも棒にもかからない」ですね。最近では間違った使い方もされていますが、皆さんは大丈夫でしょうか。今回は「箸にも棒にも」の意味や由来、使い方などを紹介します。

目次

  1. 「箸にも棒にも」とは?
  2. 「箸にも棒にもかからない」の意味
  3. 「箸にも棒にもかからない」の由来
  4. 「箸にも棒にもかからない」の使い方
  5. 「箸にも棒にもかからない」の類語

「箸にも棒にも」とは?

「箸にも棒にも」とは「箸にも棒にもかからない」ということわざの略称です。会話文や検索時などに好まれます。

「箸にも棒にもかからない」の意味

取り柄がない

「箸にも棒にもかからない」は取り柄がない扱いにくくて持て余すという意味で使われます。

扱いにくさにも色々ありますが、ここでの意味は良いところが一つもない、あるいは短所が目立つという意味です。親和性や相性以前に、どうあっても好意的に受け止められない厳しい評価です。

手が付けられない

「箸にも棒にもかからない」にはもう一つ、手が付けられない程ひどいという意味もあります。何をどうしたところで良くなる見込みはない、可能性がゼロの状態です。

取り上げられない

比較的まれな使い方ですが、「箸にも棒にもかからない」は取り上げられない、扱われることがないという意味でも使われます。

話題になる、議題として取り上げることを「俎上にあげる」と言いますが、ちょうどその反対といえますね。

元々「箸にも棒にもかからない」には取り柄がない、使いにくいという意味がありますので、使いにくいからお呼びがかからないし使われることもないというわけです。

「箸にも棒にもかからない」の由来

「箸にも棒にもかからない」の由来は細くて短い箸でも大きくて長い棒でもつかめないことです。

小さくて細かいものであれば箸でつまむことができますし、大きくて重いものなら棒に引っ掛けて担ぎ上げることができますよね。

ところが、物によっては箸でつまみにくい上に棒でも扱いにくいということもあるでしょう。ちょうど「帯に短したすきに長し」のような状態ですね。

このような経緯から、扱いにくくて持て余すことのたとえとして使われるようになりました。さらに転じて、扱いにくさから使われない、使い道がない、さらには使うだけの取り柄がないという意味でも用いられるようになっていきました。

「箸にも棒にもかからない」の使い方

「箸にも棒にもかからない」は使われることの多いことわざですが、使う際にはいくつか注意が必要です。

まず、どうあっても良い印象を与えないことです。そのため、間違っても直接人に使ってはいけません。トラブルの種です。

また、意味の誤解にも気を付けましょう。由来として箸や棒でつかめないというお話を取り上げました。しかし、手掛かり一つ得られないつかみどころがないという意味は「箸にも棒にもかからない」にはありません。

例文

  • 「今年の新卒はまるで良いところがない。あんな箸にも棒にもかからないやつをなぜ採用したんだ?」
  • 「うーん。箸にも棒にもかからない作品ばかりですねぇ。売れるどころかこんなの発表したらかえって評判が悪くなりますよ。」
  • 一応うちの部からも案は出したのだが、会議では見向きもされなかったらしい。箸にも棒にもなんとやら、といったところか。

「箸にも棒にもかからない」の類語

縄にも蔓にもかからない

「縄にも蔓(かずら)にもかからない」とは対処に困るような、どうにもならないことです。縄は縄跳びやしめ縄のようなひも、いわゆるロープです。蔓はつる草、つる性植物を指します。身近なところではブドウやスイカの茎、花札の藤です。

縄を使っても、蔓を使っても縛れないことから、どうしようもなく手に負えないという意味で使われています。

酢でも蒟蒻でも食えぬ

「酢でも蒟蒻(こんにゃく)でも食えぬ」とはどうにも手に負えないという意味です。酢と蒟蒻はあれこれと口に出す文句のたとえとしても使われます。

話し合いなどであれこれ文句を並べられると、まとまるものもまとまりません。そんな様子を表した言葉です。

酢は酸性が強いので殺菌作用が見込めますし、蒟蒻には砂出しやホウキの異名もあります。これらの食品を使っても食べられないのであれば、もう食べようがない、手の施しようがないというわけです。同様に「煮ても焼いても食えない」「酢味噌でも食えぬ」という言葉もあります。

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