「容姿」とは?意味や使い方をご紹介

「容姿」とは「すがたかたち」という意味です。古来、容姿の良し悪しは、人々の関心ごとのひとつでした。容姿の美しい男女をちやほやしたり、美しくなりたいと美容に力を注いだりと、やることは現代でも変わりません。ここでは「容姿」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「容姿」の意味
  2. 「容姿」という語の使い方
  3. 「容姿」の類語
  4. 「容姿」をほめる四文字熟語
  5. 「容姿」に関することわざ

「容姿」の意味

「容姿(ようし)」とは、「顔かたちと体つき」「すがたかたち」を表す言葉です。「容」という漢字には、かたち・すがた・ありさまという意味があります。また、「姿」は、人のかたちや様子を指す漢字です。

「容姿」という語の使い方

「容姿」という言葉は、おもに人に対して使う言葉です。例えば、「容姿が良い・悪い」や「美しい・醜い容姿」のように容姿を評価する言い回しだけでなく、「容姿を整える」「容姿が衰える」のよう使うこともあります。

  • 彼の魅力は容姿が良いことだけではない。
  • 彼女の美しい容姿は、学校中の生徒の目を引いた。
  • 実年齢よりも若く見える容姿のせいで、取引先からなめられる。
  • 自分の容姿に自信を持てず、彼に声をかけることもままならなかった。
  • 世の中には容姿にも才能にも運にも恵まれている人はいるものだ。
  • 彼女は控え室に戻って手早く容姿を整えた
  • 母は自分の容姿の衰えとともに、外出を控えるようになった。

「容姿」の類語

「風貌」(ふうぼう)

「容姿」が「顔やすがた」を表すのに対して、「風貌」は、その人の外見や身なりを表す言葉です。また、ここから転じて、書き言葉の描写では、物事のようすや風景のあり方を指しても使われることがあります。

ここで「移りゆく都市の風貌」などという場合には、実際の建物の移り変わりばかりでなく、その街が持っている特色、年代的な推移、あるいは生活感といった匂い(臭い)・味わい・肌ざわりまでをすべて含んだ言葉になってきます。

【使い方】

  • ふてぶてしい風貌だが、存外、よく気の回る男だった。
  • 堂々とした風貌は、まさに武将といったところだ。

「容貌」(ようぼう)

「容貌」(ようぼう)は、顔のつくりやかたち、顔のかまえを、熟語二文字にまとめた言葉です。この場合の「容」とは、「顔のかたち」を表し、「貌」とは「顔つき」を表します。ふたつの語を合わせて、目や口、鼻、眉などの「つくりぐあい」を表します。

「容姿」と「容貌」の違いを肖像画にたとえると、その人の特徴を的確にとらえて描写しているのが「容姿」。「容貌」とは、画の対象である人の個性を重んじて、その人らしさをより濃厚に表した画だと言えるかもしれません。

【使い方】

  • 年をとったせいか、先生の容貌も随分と温和になった。
  • 堂々とした容貌の青年が一人佇んで(たたずんで)いた。

「風采」(ふうさい)

「風采」(ふうさい)は、「外部から見た、人の容姿や身なりなどの様子」を表します。上でご紹介した「風貌」と同じ意味です。

しかし、「風采」には「風采が上がらない」という慣用句があります。これは、容姿がぱっとしない・見た目が風格に乏しいことを指す言い回しです。「風采が上がらない」を「風貌」や「容姿」に置き換えることはできません。

【使い方】

  • あの風采の上がらない男が、まさか大会社の社長だったなんて!
  • 顔立ちの整ったキリッとした風采の青年が訪ねてきた。

「容姿」をほめる四文字熟語

「容姿端麗」(ようしたんれい)

女性の「容姿」を形容する言葉に「容姿端麗」(ようしたんれい)があります。「端麗」とは「ととのってうつくしい」ということですが、ひと昔前ならともかく、いま、この時代に女性の容姿を形容することは、ほめ言葉でさえ、よほど親しい間柄でもないかぎり「NG」です。

「曲眉豊頬」(きょくびほうきょう)

「容姿端麗」が女性の「顔と姿かたち」を表すのに対して、「曲眉豊頬」(きょくびほうきょう)は、女性の顔にスポットを当てた言葉です。大和絵の美人画に見られるような、色白で、肉付きのよい頬の、眉のおっとりとした女性を指した言葉です。

「眉目秀麗」(びもくしゅうれい)

男性の「容姿」をほめる言葉では「眉目秀麗」(びもくしゅうれい)があります。容姿とはいっても「曲眉豊頬」同様、「かおのつくり」を褒める言葉です。女性コミック誌に現れるような、目と眉、鼻筋のキリっとした男性を指した言葉です。

「容姿」に関することわざ

「容姿」は、ある年齢以上になると、その人となりを表すと言いますが、しかし古人はそれを知りつつ、さらに見た目で人を判断することの危うさを諭しています。

あの声で蜥蜴食らうか時鳥(あのこえでとかげくらうかほととぎす)

あのような、はかなく美しい声で鳴いていたホトトギスがトカゲを捕食するのか、と驚いている様子を表しています。転じて、「その人の好みや性向は容姿だけでは分からないこと」の喩えとして用いられる言葉です。

沐猴にして冠す(もっこうにしてかんす)

沐猴とはサルのことです。サルがかんむりを被って気取っているように、容姿が立派なように見えても、中身が大したことのない人・その地位にふさわしくな人物を表します。

馬と武士とは見かけによらぬ

何ごとも容姿だけでは判断できない、容姿を超えた能力に対して人は驚きを隠せないことの喩えとして用いられます。駄馬に見える名馬もいれば、その逆の例もある。武士の剣の腕前についても然り、というのが元々の言葉の意味です。


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