「鑑みる」の意味
「鑑みる(かんがみる)」とは、先例や手本、現在の状況などをくらべ合わせ考えることをいいます。友だちや家族とのきさくな会話の中ではあまり見られず、報道や論文の中で多く用いられる「やや堅い」イメージを持った言葉です。
本来は「~に鑑みる」という用法が正しいのですが、現在では「~を鑑みる」という誤った表記・表現もよく目にします。格式ばった場面で使用することが多い言葉ですから、注意しておきましょう。
「鑑」の字義
「図鑑」や「印鑑」という言葉で目にすることも多い「鑑」には、「かん」の他に「かがみ」という読み方もあります。「君は、まさに接客スタッフの鑑だ」などという表現で耳にすることも多いですね。
「鑑」とは、手本や規範となる人やものを表す言葉です。そして、この「かがみ」から「かがみる」という動詞がうまれ、現在の「かんがみる」に至ったとされています。
「鑑みる」を使った例文
- 近ごろの急激な価格下落に鑑みて、レタスの大豊作を喜んでばかりはいられないようだ。
- 過去の事例に鑑みると、この選挙区の選挙結果は無党派層の投票行動しだいだといえる。
- 昨今の情勢に鑑みれば、我が社の現在置かれている状況には非常に厳しいものがある。
「鑑みる」の類語
「鑑みる」の類語には、次のような言葉があります。
- 踏まえる
- 考え合わせる
- 考慮する
- 勘案する
いずれも日常的に使われている言葉ですが、「鑑みる」は単に「考えている」のではなく「くらべ合わせている」点がポイントです。使用する際には注意をしましょう。
「鑑みる」を英語で表記すると?
「鑑みる」に意味の近い英語表現としては、次のようなものが挙げられます。
- in view of ~
- in consideration of ~
- in the light of ~