「tpo」とは?
「tpo」とは時間、場所、場合を表す英語「time」「place」「occasion」の頭文字を繋げた造語です。時間や場所、場合に応じて柔軟に、といった意味で使われます。
元々は服装のマナーに関して使われた言葉です。服を着る時は時期や場所、場合に応じて適切なものを着なさい、その都度ふさわしいものを着なさいという意味で使われていました。
現在では服装だけでなく様々な事柄に関して使われています。
「tpo」の使い方
「tpo」は小文字でも大文字でも意味は変わりませんが、「TPO」と大文字で表記される事が多いようです。
- いくら何でもTシャツにジーンズはないだろう。もう社会人なんだからTPOにあった服装を心がけてくれ。
- 新しく入ったバイト君はTPOに応じた言葉遣いができている。まだ若いのに感心だと部長もほめていた。
- かねてより学生気分が抜けない新人のことを心配していたが、やはり今日も「TPOをわきまえろ」と叱られていた。
「tpo」は和製英語
英語の頭文字を繋げた言葉なので、「tpo」は海外でも通じると思うかもしれません。ところが、実は「tpo」は和製英語です。なので、海外では通じません。
なお、「tpo」という言葉をつくったのは日本メンズファッション協会の元会長で、「VAN」ブランドの創業者の石津謙介であるとされています。
「tpo」を英訳すると
では、「tpo」を英語圏の人々に伝わるように訳すとどうなるのでしょうか。その場合は、「行動に気を付けて」とか「マナーに注意しなさい」といった言い回しが好まれます。以下で具体例を紹介します。
mind your manners
「tpo」の英訳の一つが「manners」、いわゆるマナーです。時と場所、場合に合わせた服装や振る舞いをするのはマナーの一つということですね。
マナーを守ることは「mind your manners」と表現します。マナーを守ってね、行儀良くしてねといった感じの言葉です。
「mind」は注意する、気に留めるという意味です。マナーは「manners」です。最後の「s」を忘れると方法ややり方という意味になってしまいます。
behave yourself
「tpo」を守ることは行儀よくすることとも言えます。その場合に適した単語が「behave」です。行儀作法に関して良くふるまう、行動するという意味です。相手に行儀よく行動してくれと頼む時の表現が「behave yourself」です。
「tpo」の類語
ドレスコード
「tpo」は元々ファッションに関して適切なものを着なさいという言葉でした。この点で、最も意味が近いのは「ドレスコード」です。
高級レストランやパーティ会場などでの、こういった服装をしてくださいという決まりです。また、学校や軍隊の服装規定も「ドレスコード」と言います。
「tpo」と違い、「ドレスコード」は守らなければいけないと明記されています。守っていない人は、お店なら入店禁止になりますし、学校なら指導されるでしょう。この点、「tpo」はルールとして明記されているわけではない、暗黙の了解ともいえるところがあります。
空気
その他の「tpo」に似た言葉として「空気」が挙げられます。「空気を読め」なんて言われますよね。特に区別なく使っている人もいるようですが、若干異なる部分もあります。
「空気を読む」とは言ってしまえば周りに合わせること、同調することです。それに対して、「tpo」は英語で「manners」と訳されるようにマナーやエチケットのようなものです。
もし仲間が間違ったことをしようとしたときに、同調するか放任するのが「空気を読む」ことです。一方、間違った行動を止めようとするのが「tpoを守ること」です。