「さしずめ」とは
「さしずめ」とは、「将来は未定だが現時点で考えてみて」という意味です。同様の意味を持つ用語としては「とりあえず」や「今のところ」などがあり、「さしずめ」はこれらの言葉に言い換えることができます。
また、「さしずめ」にはもうひとつ、「当てはまるものを探した結果を言えば」という意味もあります。
その場合、後ろには例示が続きますが、単なる「たとえ」ではなく「他の物に言い換え可能かを散々考えた」という要素が含まれているのが「さしずめ」です。
「さしずめ」の表記ゆれ
「さしずめ」は漢字では「差し詰め」と表記されますが、どちらかというと、ひらがなで用いられることが多い言葉です。
また、ひらがなでは通常「さしずめ」と表記されますが、「さしづめ」と書かれていることもあります。
「さしずめ」を用いた例文
- 親と激しいけんかをして家を追い出されたが、祖母が「しばらく居てもいいよ」と言ってくれたので、さしずめ住むところには困らない。
- 給料日前に飲み会に参加するのは厳しいものがあるが、さしずめ一万円もあれば間に合うだろう。
- デートの服装から流行りのスポット、女の子の好きそうなスイーツまで教えてくれるなど、わが妹はさしずめ恋愛コーディネーターといったところだ。
「さしずめ」の成り立ち
「さしずめ」という単語は、「さし(差し)」と「つめ(詰め)」に分けることができます。
「つめ(詰め)る」という動詞に、接頭語である「さし(差し)」が付いてできた単語が「さしづめ」です。
「さし(差し)」の役割
「さし(差し)」には語調を整え、その意味を強める働きがあります。
- さし出す
- さし置く
- さし戻す
- さし迫る
「さし○○」という言葉は、○○だけでも意味としては通じます。しかし「さし」と付けることで、その動作をより強いものとして印象付けることができます。
「つめ(詰め)る」の意味
「つめ(詰め)る」という言葉には複数の意味がありますが、「さしずめ」の語源となった「つめる」は「追い詰める」の意味だと考えられています。そのため、「さしずめ」の意味を「どんづまり」と紹介しているケースもあります。
また「つめる」が「つめ」と体言化すると、物事の決着がつく最終の段階という意味になります。将棋の最終局面でよく使われる言葉です。
- 大詰め
- 詰めが甘い
- 捜査が詰めの段階に入る
また最近では、ネットスラングとしても「詰め」が使われています。ネット上で飛び交う「詰んだ」という言葉は、「もう終わりだ」「何をしてもダメだ」という意味です。