「萌える」の意味
本来の意味
「萌える」は元々、植物が芽を出すという意味でした。草花や木などが芽吹くことを指します。日常会話ではあまり使われず、小説や詩歌、時候の挨拶などに用いられる文語です。
スラングとしての意味
本来の意味とは異なる、スラングとしての「萌える」は感情を表す言葉です。かつては漫画やアニメに登場する二次元キャラクターやアイドルなど可愛らしいものへの好意を表すオタク用語でした。
その後、一般化したことで用途が広がり、好意や愛情から執着心や信仰などの間を揺れ動く、適用範囲の広い言葉となりました。
漢字の元の意味から、植物が芽生えるように自然と芽生えてくるある種の感情とされています。「好き」との大きな違いは元がスラングである故の俗なところで、美化された「好き」よりも砕けた印象が強くなります。
「萌える」の使い方
- 若葉萌える季節となりました。
- どんなところに萌えるかは人それぞれです。
- 萌える要素が一つもない、あまりにも残念な作品だった。
「萌える」の由来
「萌える」の由来はいくつもあり、どれが正しいかはわかっていません。複数の説が重なってできたともいわれています。今回はその中からいくつか紹介しましょう。
名前由来説
「萌える」はキャラクターの名前に由来するという説があります。代表的なのは、NHKのEテレで放送された『恐竜惑星』に登場する「鷺沢萌」です。作中で「萌えーっ」と呼ばれていたのを真似したことに由来するそうです。
また、漫画およびアニメの『美少女戦士セーラームーン』に登場する「土萠ほたる(ともえ ほたる)」に由来するという説もあります。
他にもおおくの作品が由来として挙げられていますが、上記2作品が有力とされています。
誤変換説
激しく気持ちが高まることを「燃える」といいますが、この「燃える」が「萌える」に変化したという説もあります。偶然誤変換してしまった、あるいは言葉遊びで意図的に誤変換したものが広がったそうです。
「萌える」の関連語
「萎える」
「萎(な)える」は「萌える」の反対の意味としても使われる言葉です。「萎える」の元々の意味は体力や気力が失われ、ぐったりしたり萎(しお)れたりする事です。植物が枯れる様子や衣服がくたびれることにも使われます。
スラングの「萎える」は体力や気力ではなく、萌える気持ちが失われていくという意味で使われます。
愛情や情熱に使われる「気持ちが冷める」や「興覚め」と似たニュアンスの表現です。その他、気持ちが失われるだけでなく不快感や嫌悪感を喚起することにも使われます。
「萌え死」
「萌える」は可愛いものへの好意や興奮を表す言葉ですが、その行為や興奮が非常に強いと「萌え死」という言葉が使われます。「萌え」の感情が非常に強くなり、悶え死ぬほどであるという意味です。
同じような意味で「キュン死」が用いられることもあります。「キュン死」は胸がキュンとする様子に由来する表現です。胸が苦しくて死にそうといったニュアンスで使われます。
「ブヒる」
「ブヒる」は二次元キャラクターに熱狂する様子を表す言葉です。言葉の由来は萌えオタの蔑称、「萌え豚」であると言われています。
萌えオタとは、キャラクターの可愛らしさや萌えるかどうかを重視するオタクのことです。可愛ければよいという価値観のため、萌えることを狙った露骨であざといキャラクターも好意的に受け入れます。
その様子が与えられたエサを消費し続ける豚のようだという意味で「萌え豚」となり、豚の鳴き声から「ブヒる」となったとされています。