「捨て左折」とは
「捨て左折」とは、左折する必要がない場所であえて左折するという意味です。右方向に進みたいが右折レーンは渋滞しているという場合に、そこを回避し左折を繰り返して当初予定した道に直進で入ることを指します。
「捨て左折」の使い方
- 面倒でも捨て左折した方が時間の短縮になる
- いつになったら右折できるかわからないから、ここは捨て左折を選択しよう
「捨て左折」の名付け親
走行時間を短縮するためにわざと遠回りする技法自体は以前よりありました。それを「捨て左折」と呼んだのは千原ジュニアさんです。2009年に放送されたTV番組『人志松本の○○な話』の中でそう名付けました。
番組内では実際に検証も行いました。渋滞率が高いことで知られる都内交差点に千原ジュニアさん自らが出向き、通常通り右折レーンに並ぶ方法と「捨て左折」を繰り返して直進で入る方法を比べ、ひと手間かけることで本来の目的を早く達成できることを実証しました。
左折を「捨てる」とは
千原ジュニアさんはなぜ「捨てる」という言葉を使ったのでしょうか。「捨てる」という言葉には以下のような意味があります。
- いらないものとして手元から離す
- 関係を断ち切って関わらない
- 放っておく
- 物事を見限る
- 自らを犠牲にする
しかし「捨て左折」の‘捨て‘はどれにも当てはまりません。むしろ、捨てたのは右折レーンなので「捨て右折」が正しい、とも言えます。
しかし、捨てるという言葉は時に「将来役に立つことを見越して、その場では無用とも思える物事を行う」という意味で使われることがあります。囲碁でいう「捨て石」、あるいは将棋でいう「捨て駒」がそれに当たります。
「捨て左折」もそのひとつ。必要のない左折であっても最終的には役に立つ、ということから「捨て左折」と名付けたと思われます。
「捨て左折」の注意点
千原ジュニアさんが番組で紹介し効果が実証されたことで、「捨て左折」を積極的に取り入れるドライバーが出てきたと言います。しかしその結果、検証を行った交差点では、左折が混雑するという事象も現れたとか。
また、「捨て左折」で進入した先が一方通行でいつまでたっても元の道に戻れなかったり、道路工事でさらに迂回を余儀なくされたりなど、全くトラブルがないわけではありません。「捨て左折」を有効に行うには、その土地の道路事情に精通している必要がありそうです。