「やれやれ系」とは
「やれやれ」の意味
「やれやれ」は人の感情を言葉にした感嘆詞です。「やれやれ」にはいくつかの感情が存在します。
【ホッとした気持ち】
大変なことが起きたが、それが解決したときに「やれやれ」と言います。(例:やっと大役が終わった。やれやれだよ)
【期待どおりでないが甘んじている気持ち】
望んでいないが、自分では変えることができない、仕方がないから受け入れるときに「やれやれ」と言います。(例:やれやれ、仕方ない。ドラ息子のやることだ)
【感動した気持ち】
気持ちが高まり、思わず声に出る「やれやれ」もあります。(例:やれやれ、ありがとう!)
【呼びかけ】
古語では、人に呼び掛けるときに「やれやれ」を使うこともあります。(例:やれやれ千手か忠光か『浄瑠璃/蝉丸』)
「やれやれ系」での「やれやれ」
「〇〇系」という言葉は、人をほかの人と区別したり、タイプ別に分類するために使われます。「草食系」「肉食系」と、恋愛に対する積極性でタイプ分けしているのを聞いたことがある人は多いですよね。
「やれやれ系」といわれる人は、自分で「やれやれ」と口にしたり、「やれやれ」の態度を取っている人のことをいいます。
上にあげた「やれやれ」の感情の中でも、期待どおりでないが甘んじている気持ちから「やれやれ」という態度を取る人たちのことを「やれやれ系」と主に呼びます。
「やれやれ系」の特徴
主な「やれやれ系」の特徴をあげてみます。
- 普段は自分からリーダーシップをとることはなく、受け身で、積極性がない
- 自分は周りと無関係だという態度をとる
- 何か任せられると、「仕方がないな」という態度をとる
- 周囲を呆れたような目で見て、自分が達観してるかのように振舞うこともある
- 実際に仕事をさせると、よくできる
- ガツガツせず、余裕を持っている雰囲気を出す
「やれやれ系」の使用例
- あいつは「やれやれ系」だよな。女子が寄ってくるからっていい気なもんだよ。
- 目立ちたがりじゃないし、「やれやれ系」なところが私は好きなんだよね。
- そんな嫌がるなよ。「やれやれ系」なんて今どき流行らないぞ。
- 「やれやれ系」には仕事が任せにくくて困るよ。
よく見かける「やれやれ系」の例
アニメ
アニメでは、主人公が「やれやれ系」であることがままあります。読者や視聴者が好感を持つ、スマートで格好良い「やれやれ系」も多いです。
その代表格とも言えるのが、『涼宮ハルヒシリーズ』の主人公キョンです。行動派のヒロイン涼宮ハルヒが引き起こす様々な出来事に巻き込まれ、いつも厄介ごとを背負い込まされながらも、うまく乗り切っています。
また、『ジョジョの奇妙な冒険』の主人公、空条 承太郎も常に沈着冷静なキャラクターで、自分から戦いを挑むというよりは、やって来た相手をその頭脳と冷静な判断でやっつけます。
女性からもモテるのですが「やかましいぞ」と冷たくあしらう様子も描かれています。
学校
例えば、クラスのみんなが盛り上がってイベントの計画を立てているときに、自分は冷めた様子でスマホをいじり、周りが「おい、一緒にやろうよ」と誘うと「やれやれ。そんなに言うなら仲間に入ろうか」という態度をとる人が「やれやれ系」です。
「やれやれ系」は実際に仲間に入って行動を起こすと、器用に何事もこなすスマートな人もおり、異性の好感度がアップしやすいタイプです。
異性からモテるのですが、交際に対しても「やれやれ」という態度で積極的でないのも特徴のひとつでしょう。
「やれやれ系」の注意
アニメや学校ではモテタイプにもなる「やれやれ系」ですが、職場では嫌がられるタイプにもなりえます。
例えば上司から「この仕事頼むよ」と書類を渡されたときに、「やれやれ」という態度を示し、上司の怒りをかってしまうのも「やれやれ系」です。
また、アニメでは好感度の高い「やれやれ系」キャラクターに憧れ、現実世界で故意に「やれやれ系」として振舞う人もいます。しかしアニメと現実のギャップからか、結果的にモテない「やれやれ系」になっていることも多々あるようです。
「やれやれ系」は、その人本来の性質のようなものですから、無理に背伸びして装うのは逆効果かもしれません。