「ムーブメント」の意味と使い方
「ムーブメント」はカタカナ英語として日本語でもよく使えわれる言葉です。ムーヴメントと表記される事もあります。意味は以下の通りです。
- 政治的な活動
- 世の中の流れや動き
- 時計などの内部に搭載されている動作している部品、機械の運動部分
- 音楽においての楽章
【使用例】
- 男女差別に対してムーブメントが起きている。
- 彼の生き方は社会にムーブメントを巻き起こした。
- 時計のムーブメントの調子が悪いので、修理に出している。
- 今期の課題は4つのムーブメントで構成された楽曲だ。
英単語:movement
「ムーブメント」は、英語の「movement」をもととする言葉です。原語となる「movement」には、以下のような意味があります。
- (政治的な)運動団体、活動
- (規則的な)運動、動くこと、移動、行動、移住
- (体の)動き、動作、身振り、物腰、態度
- (状況の)進展、動向、(世の中の)動向、動き、進展
- (値段などの)変化、変動
- すべての動き、行動
- 楽章、拍子、テンポ
- (時計などの)ムーブメント、機械装置、仕掛け
- 便通
【使用例】
- the environmental movement(環境活動)
- a circular movement(円運動)
- the movements of planets(惑星の運行)
- have a (bowel) movement(お通じがある)
世の中の流れとしての「ムーブメント」
「ムーブメントを起こした」、あるいは「巻き起こす」。ムーブメントの使い方としては、一番慣用的な表現でしょう。
あまりによく見かけるため、「ムーブメント」を単なる流行くらいの意味で捉えている方もいらっしゃるかもしれません。しかし実際は、「ムーブメント」はそうやすやすと巻き起こるものではないのです。
流行の種類
流行や話題性、時代の動きには、いくつかのカテゴライズがあります。
【ファッド】
一気に話題になること。現代でいうネット上でバズったりすることにあたります。その時だけの話題に上がる程度で、そこまで広まりを見せるものではありません。
【ブーム】
数ヶ月程度、話題になること。一過性のもので、インスタで話題になったお店が一定期間行列になったりする現象のことをさします。下火になると消えていってしまうものが多いです。
【トレンド】
シーズン単位で話題になること。ブームよりは期間が長く、拡散性のあるものをさします。例えば「この秋のトレンドは」などファッション界でもよく使われます。ある程度の時代を写すものでもあり、トレンドはめぐることもあります。
【ムーブメント】
人のライフスタイルや価値観までも変えてしまうような大きな動きのこと。人々の信念や政治など一過性のものでなく、強い動きのことをさします。時に、国や世界までをも変えてしまうほどの大きなムーブメントになることもあります。
このようにムーブメントというのは流行というレベルのものではなく、世の中などの強い動きのことをさすことが分かります。ムーブメントが起きるというのは、時代が変わるほどの動きなのかもしれません。
時計のムーブメント
時計のムーブメントも広く使われている言葉です。時計のエンジンとも言える、時計の駆動をつかさどる部分です。
ムーブメントの種類:機械式
愛好家も多い「機械式の時計」とは、ゼンマイで動くタイプのものをさします。手巻き式と自動巻式がありますが、どちらも時間があまり正確ではなく、ゼンマイを巻かなければ止まってしまいます。
しかしその分、針を動かす力が強いので太く長い針も載せられます。分解修理ができるものが多いので、長く使えるので趣味性が高く、世界でも注目されています。
- 手巻き式(hand winding):ゼンマイを手で巻き上げる時計のこと。懐中時計に多く見られる。
- 自動巻式(automatic):腕時計の着用時に、腕の動きに合わせてムーブメントに内蔵されているローターが回転して、ゼンマイが巻き上げられる時計のこと。
ムーブメントの種類:クォーツ式
現在流通している時計は、このクォーツ式の時計がほとんどです。電池を動力として動く時計のことで、水晶を使った水晶振動子を使った電子ムーブメントが特徴です。機械式に比べて、時間が正確に刻めるというメリットがあります。
針を動かす力が弱いので、針は薄く短いものが主流です。また修理できないものが多く、長く使うには不向きであると言われています。