「やばたん」の意味とは
「やばたん」という言葉は「やばい」という言葉に「たん」という言葉を組み合わせたものになります。
そのため、「やばたん」の意味は「やばい」ということになります。この「やばい」という言葉の意味のニュアンスが少し難しいですよね。
【例文】
- 今日テストなのになにも勉強していなくて「やばたん(やばい)」
- このパンケーキめっちゃおいしくて「やばたん(やばい)」
1の場合は、マイナスなイメージ、つまり不安要素や危機的状況を表現するために使用しているのに対して、2についてはプラスのイメージ、最高な時やすごくいいことを表すのに使用しています。
そもそも「やばたん」のもとになった「やばい」という言葉の段階で、先ほどの2例のようなニュアンスの違いが生まれているようです。
「やばい」の持つ二つの意味
「やばい」にはマイナスなイメージ、プラスなイメージの両方を表すことができるということがわかりましたが、いつからそのような表現が可能になったのでしょうか。
もともと「やばい」が持っている意味としては以下のとおりです。
「危険や不都合な状況が予測させるさま。あぶない。」
つまりもともとはマイナスなイメージを表す言葉として使われていました。その昔、盗人の間で「危険だ、捕まる恐れがある」という意味の隠語として使われるようになったのが始まりです。
そのため、「やばい」は不安な状況や危機的状況を表すマイナスなイメージで使われてきました。しかし、言葉というのは使っているうちに意味が少しずつ変化していくものです。
現代の若者は「やばい」という言葉に、「状況に合わない」という意味を持たせるようになりました。
つまり、「自らが想像していたものとそのものがあまりに違いすぎる(なおかつ想像を超えてすばらしい)」ことを表すようになったのです。
そこから、「やばい」にプラスのイメージがつくようになったのです。
「やばい」から「やばたん」へ
「やばい」に二つの意味を持った後、さらに若者言葉というものが発展していきます。
その中で生まれたのが、語尾に「たん」を付す文化でした。
ここでの「たん」は接尾語として用いられ、表現を丸くさせたり、可愛い表現にしたりする意味合いがあります。
女子高生などの間では圧倒的に利用されている表現であり、「たん」を付けた表現としては他にも「つらたん(つらい)」「かわたん(可愛い)」などがあげられます。
そもそも赤ちゃん言葉としての「たん」が由来のようですが、インターネット上で可愛いものを指すときに利用される「たん」という言葉もあり、いくつかの言葉から派生したものと考えられます。
このようにして「やばい」という表現は「やばたん」という言葉へと変化していったのです。
「やばたん」の類語たち
「やばい」ことを表す「やばたん」ですが、そこにも類語が存在します。
いくつかご紹介します。
「やばば」
意味としては「やばい」や「やばたん」と同じです。
「ば」の数が変化することによって、その衝撃度やびっくり度が変化します。
【例文】
- 外に出たらめっちゃ暑くて「やばば」
- 今日テストとか知らなくて「やばばばばば」!
視覚的にもびっくり度が伝わってくることが分かります。
「やば杉内」
こちらは「やばすぎる」の「すぎ」部分が人名に変化したものです。
「あたり前田の~」などに見られるくっつけ表現のようです。
意味はもちろん「やばたん」と変わりません。
例:このアイスがうますぎて「やば杉内」
言葉で発する場合よりも、テキスト上などで利用されることが多いようです。
「やばたん」に見る若者言葉
「やばい」から「やばたん」のような言葉の変化は、ごく最近に限ったものではありません。昔から言葉の意味というものは都度変化してきているのです。
「大丈夫」という言葉が持つ意味が「あぶなげがなく安心できるさま」から「必要または不要を問いかける」ことに変化しているなど、言葉の意味というのは常に変化し続けています。
昔ながらのもつ意味を大切にしながらも、現代に即した意味を持つ言葉として時折変化させながら利用していくことが、若者言葉を理解するきっかけになるでしょう。