「クロスファイヤ」とは?意味や使い方をご紹介

小説やテレビの討論番組のタイトルなどで「クロスファイヤ(クロスファイア)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?この「クロスファイヤ」には「十字砲火」、「激しい議論」以外の意味もあります。今回は、この「クロスファイヤ」について解説します。

目次

  1. 「クロスファイヤ」とは?
  2. クロスファイヤ①十字砲火
  3. クロスファイヤ②野球用語
  4. クロスファイヤ③バドミントン用語
  5. 小説『クロスファイア』

「クロスファイヤ」とは?

「クロスファイヤ」の意味

「クロスファイヤ」は英語の「cross fire」に由来する外来語で、次のような意味があります。

  1. 十字砲火。転じて、言葉による激しい攻撃。
  2. [野球用語]投手の投球が本塁上を外角から内角へ、また内角から外角へと斜めに通過するような投球。十字火球。
  3. [バドミントン用語]左利きの選手が打つカットスマッシュ。

なお、「クロスファイア」、「クロスファイアー」、「クロスファイヤー」は「クロスファイヤ」の別表記なので、同じものとしてご説明していきます。

「クロスファイヤ」の使い方

  • クロスファイヤは防御に有効な戦術だ。
  • 彼のクロスファイヤで試合の流れが変わった。
  • 彼女のクロスファイヤはレシーブの名手でも苦戦する。

クロスファイヤ①十字砲火

「クロスファイア」の意味の一つ「十字砲火」とは、「左右から交差するように飛び交う砲火」という意味です。機関銃のような自動火器を用いる際の戦術の1つで、防御において効果を発揮します。この戦術は、機関銃が大量投入されるようになった第一次世界大戦から登場しました。

固まったり、縦に長い列になって攻めてきた敵ならば、正面からの掃射で対応できますが、敵はそれを避けるために、横に列になったり、V字になるなど散開して攻めてきます。それを効果的に銃撃するために、砲手Aを敵の斜めに配置します。

すると今度は、敵が火器に対して正対してくる可能性があるため、砲手Aの反対側に砲手Bを配置して、砲撃が斜めに交差するようにします。すると、敵から見ると、前面からだけでなく側面からも銃弾が飛んでくるので、回避困難となり、砲撃の効果が高まるのです。

クロスファイヤ②野球用語

野球における「クロスファイヤ」

野球で用いられる「クロスファイヤ」は、「投手が自分の投げ手と対角のコースに投げて、球がホームベース上を横切るように通過するストレート」を指し、メジャーリーグでも実績のある江夏豊投手や石井一久投手が切り札として使っていたことでも有名です。

左投手の場合、右打者から見ると自分に向かってくる軌道でインコースとなり、左打者から見ると自分から遠ざかる軌道でアウトコースとなります。

一般的には左投げの投球について言いますが、右投げでもクロスファイアを投げることはできます。角度がついた方が効果が高いため、投球位置や投球フォームがポイントとなりますが、投球位置や投球フォームで分類した名称ではありません。

「クロスファイヤ」の投げ方

「角度をつけたストレート」を投げるため、投げ方のポイントは次の通りです。

  1. 足の位置をピッチャープレートの端ギリギリ(左投げならば1塁側)にする。
  2. 球が手を離れるまで、球が打者に見えないように、勢いよく上半身を回転させて投げる。
  3. より角度をつけるには、スリークォーター(斜め投げ)、サイドスロー(横投げ)が有効。
  4. (左投手が右打者に、右投手が左打者と対戦する場合)打者の胸元に投げ込むかたちになるので、デッドボールを恐れない。

クロスファイヤ③バドミントン用語

バトミントンにおける「クロスファイヤ」

バドミントンにおいて「クロスファイヤ」とは「左利きの選手が打つカットスマッシュ」の別名です。カットスマッシュは右利きでも打てるのですが、バトミントンのシャトルの羽根は左巻きに取り付けられていることから、左利きの選手の方が強いシュート回転をかけられます。よって、左利きの選手のカットスマッシュを特に「クロスファイヤ」と呼んでいるのです。

カットスマッシュは、シャトルの速度を急激に落としてネット際へと落とせるので、相手が通常のスマッシュレシーブの体勢をとっているときに打つと、特に効果的です。

「クロスファイヤ(カットスマッシュ)」の打ち方

スマッシュを打つ際に「シュート回転をかける(カット)」ので、打ち方のポイントは次の通りです。

  1. シャトルのコルク部分の側面を素早くこすってシャトルにシュート回転をかけて、シャトルの勢いを殺す。
  2. 手首を固定した状態で打つ。
  3. 跳躍して、最大の高さとなったところで打つ。(落下しながら打つとネットにかかりやすい)

小説『クロスファイア』

『クロスファイア』は宮部みゆきによる小説で、1998年に光文社カッパノベルズから、以降、2002年に光文社文庫から、2011年に光文社文庫プレミアムから、それぞれ上下巻で刊行されました。

パイロキネシス(念力放火能力)を持つOL・青木淳子は、ずっと能力を隠して控えめに生きてきましたが、ある事件を機に、能力を解放して、犯罪者たちを焼き殺していきます。一方、刑事・石津ちか子は、この焼殺事件と昔起こった不可解な事件との関連を疑い始めるというファンタジー・ミステリー作品です。


本作は、同題『クロスファイア』として映画化され、2000年に公開されました。この映画は、小説『クロスファイア』の前日譚にあたる小説『燔祭』(収録:『鳩笛草』)を取り入れ、さらに、オリジナルストーリーも加えた脚色となっています。

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