「ヌルゲー」とは
「ヌルゲー」は「ヌルいゲーム」の略称です。「ヌルゲ」といういう風に「ー」が略される場合もありますが、意味は同じです。
まずはその言葉の意味から見ていきましょう。
「ヌルい」とは
「ヌルい」とは「温い」ということであり、「温度が適温よりも低いこと」や「なまあたたかいこと」を意味します。
「ぬるま湯(のような)」という言葉があるように、「ヌルい」ことは必ずしも心地よいものではなく、物足りなさや不満足の感じを与えるかもしれません。
「ゲーム」とは
「ゲーム」は文字通りの意味ですが、「ボードゲーム」や対戦相手のいるゲームというよりは、一人でプレイするテレビゲームを指しているように思われます。
というのも、「ヌルゲー」が意味するのは「難易度が低くて歯ごたえがないゲーム」であり、多くの場合は上記のようなゲームが「簡単すぎてつまらない」といった場合に使うからです。
「ヌルゲー」の使い方
上記のように、「ヌルゲー」とは「ゲーム」から派生した言葉となります。そのため、基本的にはゲーム作品に対して用いられることが一般的です。
ただ、若者言葉やインターネットスラングの常として、この「ヌルゲー」という言葉もより広い範囲や全く別のものを対象に使用されることがあります。順番に見てゆきましょう。
基本的な使い方
基本的な使い方は(テレビ)ゲームに対して用いられるものです。
「ヌルゲー」の特徴は、難易度が低いため簡単にクリアできてしまうということです。歯ごたえがなく、クリアしたときの達成感が全くないため、ゲーム好きからは敬遠されることもあります。
製作者の側としては「つまづくことなく先の方まで進めてほしい」、「ゲーム部分だけでなくストーリーを味わってほしい」、「できればクリアしてほしい」という気持ちで難易度設定を行うということもあるでしょう。
また、ゲームに難しさを求めないというプレイヤーにしてみれば、むしろ「ヌルゲー」の方が敷居が低くて好ましいということもあるかもしれません。
応用的な使い方
簡単なことが特徴の「ヌルゲー」という言葉は、転じて実生活の様々なことに対して用いられる場合があります。
例えば、「テスト(試験)」や「仕事」、あるいは「人生」そのものに対して「ヌルゲー」は用いられる場合があります。こうした場合、それらの対象はただ「簡単」というだけでなく、「つまらなさ」や「消化試合」のようなニュアンスも入ってくるかもしれません。
そのため聞く人によっては、対象を少し低く見ている感じや、やや気取った印象を与える言葉と言えるかもしれません。
文例
- 今度発売になったゲームはヌルゲーすぎて張り合いがなかった。
- 最初にレベル上げしすぎたせいで、ヌルゲーと化してしまった。
- イケメンに生まれりゃ営業なんてヌルゲーでしょ。
- いい大学に行っていい会社に入れば人生ヌルゲーだなんてとんでもない。
「ヌルゲー」の反対語・縁語
ここでは「ヌルゲー」とは逆の意味の言葉や、関わりのある言葉について見ていきましょう。
ムズゲー
「ムズゲー」は「難しいゲーム」です。
難易度が高く、簡単にはクリアーできないため、人によっては敬遠することもあるでしょう。
具体的には任天堂の『マリオ』シリーズ(特にファミリーコンピュータやスーパーファミコンの初期時代のもの)などが該当するでしょう。
マゾゲー
「マゾゲー」は「マゾヒスティックな気分になるほど難しいゲーム」の略称です。
その難しさがむしろクセになり、ミスしてもミスしても何度もやりたくなる中毒性があるのが特徴です。もちろん、難しいゲームを求めていない人にとってはあまりに難しく、投げ出したくなってしまうかもしれません。
『ダークソウル』シリーズや『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE | 隻狼』で知られるフロム・ソフトウェアのゲームが「マゾゲー」の代名詞として知られています。
ムリゲー
「ムリゲー」は「難しすぎてクリアするのが無理と感じるほどのゲーム」です。
一部のコアゲーマーには好評ですが、ライトユーザーお断りとなってしまうため、ますます人を選ぶものとなってしまいます。
心を折られた(クリアーを諦めてしまった)人が続出したという点では、かつて難しいゲームの代名詞であったCAPCOMの『ロックマン』シリーズなどが該当するでしょう。
クソゲー
「クソゲー」は「難易度設定を間違えたか調整不足によって、プレイするのが嫌になるゲーム」です。端的に「つまらないゲーム」や「馬鹿馬鹿しいゲーム」に対して用いられることもあります。
一方では「クソゲー」はその「クソ」さによって愛されるというところもあり、「2ちゃんねる(5ちゃんねる)」を中心に、その年一番のクソゲーを決める「クソゲーオブザイヤー(KOTY)」なる試みも行われています。