「バンギャル」の意味
バンギャルとは、「バンドが好きなギャル」、すなわち、「バンドを熱心に応援する女の子」のことを指します。「バンドをやっている女の子」のことではないので、注意しましょう。
ですが、バンドならばどんなジャンルでもいいというわけではなく、「バンギャル」は基本的にはヴィジュアル系ロックバンドのファン限定の言葉です。
さらに、ヴィジュアル系が好きならどんなファンでもバンギャルである、というわけではなく、ファンの中でもより熱心なファンを「バンギャル」と呼びます。
たとえば、部屋中がヴィジュアル系のポスターで埋め尽くされていたり。ヴィジュアル系のライブに足しげく通ったり、ヴィジュアル系の服装を普段着として着ていたり。そういった女性を「バンギャル」と呼びます。
ただ、「これをすればバンギャル」という定義があるわけではありません。
「バンギャ」、「ギャ」と呼ぶこともあります。
バンギャルの例文
- なんかそのファッション、バンギャルみたいだね
- アラフォーにもなってバンギャルやってるのって、痛い……
- バンギャル友達と一緒にライブ参戦してきた。
- バンギャルさんとは音楽の趣味が合わない
- いや、私、バンギャルじゃないから
- あのバンドが解散したら、私もバンギャル卒業する
- あの店はバンギャルがたくさんいるよ
バンギャルのファッションの特徴
バンギャルもヴィジュアル系バンドのメンバー同様、奇抜な服装をしている人が多いです。
黒っぽい服を好んだり、金や銀、白のような明るい髪色を好んだり。このような姿が一般的なバンギャルのイメージです。
一説には、いわゆるゴスロリファッションはバンギャルのファッションがもととなって生まれた、とも言われています。
ただし、一口にヴィジュアル系バンドといってもその服装は千差万別。ダークな世界観を好むバンドもいれば、かわいさや明るさを売りにするバンドもいます。また、ファンタジーな設定に凝って、服装もその世界観を再現したようなバンドもいます。どのバンドを好きかによって、バンギャルの服装も大きく変化します。
バンギャルの派生語
「バンギャル」は一般的には、若い女性のファンに対して使う言葉です。
ある程度年を取ったバンギャルに対しては「オバンギャ」「ババンギャ」という言葉を使うことがあります。
一見、バカにしたような言い方ですが、意外と自分から「私、オバンギャです」という風に使う人が多いです。
また、男性のヴィジュアル系ファンに対しては「バンギャル男」「ギャ男」という言い方をします。
バンギャルの歴史
初期のバンギャルはヤンキーだった
実は、「どの時代にバンギャルをしていたか」によって、バンギャルの姿は変わります。
バンギャルが生まれたのは90年代前半と言われています。
しかし、このころはまだヴィジュアル系限定の言葉ではなく、広い意味で「バンドが好きな女の子」という意味でした。
このころはまだヴィジュアル系という言葉自体が一般的ではなく、LUNA SEAやGLAY、X JAPANといったのちのヴィジュアル系に大きな影響を与えたバンドがデビューしたばかり、ということを考えると、当時のバンギャルがヴィジュアル系に限定されないのは当然なのかもしれません。
このころのバンギャルはヤンキーが多く、特攻服や長ランを着たり、改造車に乗ってライブに来ていました。
ですので、「90年代の初めにバンギャルをしていた」と言われたら、今のようなゴスロリ系ではなく、ヤンキーの姿を想像しましょう。
バンギャルはオタク、そしてメンヘラへ
転機となったのが90年代後半にデビューした「すみれ September Love」のヒット曲で知られるSHAZNAの登場。このころ、「ヴィジュアル系」という言葉が広まったのと同時に、バンギャルの姿もヤンキーからオタクへと変わっていきました。
さらに2000年代にはいると、日本のヴィジュアル系バンドは海外でも注目されるようになります。このころになると今のようなヴィジュアル系の音楽性が確立し、深い世界観を持ったバンドが多く生まれました。それに呼応するかのように、バンギャルもメンヘラ系と呼ばれる女性が増えていきます。
まとめ
ヴィジュアル系に取ってバンギャルは切り離せないものであり、バンギャルにとってヴィジュアル系は切っても切れない存在です。
バンギャルについて理解するためには、まずヴィジュアル系についてしっかりと知っていなければいけません。
バンギャルはヴィジュアル系の歴史の寄り添うように変化していきました。バンギャルに興味があるのであれば、これを機にヴィジュアル系の曲を聴いてみてはいかがでしょうか。