「シュミレート」は誤り
「シュミレート」は「シミュレート」の誤りです。口頭での発音や文字表記でも「シュミ」「シミュ」とよく似ているため、混同されている方も多いようです。
意味そのものは伝わっても、ビジネスシーンなどでは正しい言葉を知らない人だという評価を受ける可能性があります。できる限り誤用を避けるようにご留意ください。
間違えないためには?
誤りを避けるためには、由来となっている英語「simulate」のスペルを思い浮かべる方法があります。「si」が先頭にありますので「シ」、次に続く「mu」が「ミュ」です。
「si」「mu」「late」と区切って読むように意識すれば、誤って「シュミレート」と読んでしまうようなことも減るでしょう。
「シミュレート」とは?
「シミュレート」には、「~に見せかける」「装う」「まねる」という意味があります。特に、何らかのシステムの挙動を、ほぼ同じ法則をもった別のシステムで模擬する(まねる)ことをいいます。
例えば、来月の電話料金がどの程度になるか知りたい状況を考えます。先月までのデータや経験と照らし合わせ、「現実はこうなるだろう」という想定に基づき、実際にかかるであろう料金を模擬的に計算する試みがシミュレートです。
また、シミュレートするための装置のことを「シミュレーター」(模擬装置)といいます。電話料金の例では、電話会社がユーザー向けに公式に「料金計算シミュレーター」を公開しているようなケースもあります。
「シミュレート」と「シミュレーション」
「シミュレート」は「シミュレーション」と言い換えられることもあり、両者は同一の意味で使うことができます。
英語として考えると、動詞と名詞で使い方に多少違いがありますが、日本語では分け隔てがありません。例えば「~する」と活用する場合は「シミュレーションする」とするのが文法的には正しいのですが、「シミュレートする」という表現も広く使用されており、両者にニュアンスの違いはありません。
「シミュレート」の目的
「シミュレート」の目的は、何らかの現象を模擬的に(本番とは別のシステムで)再現することです。再現できること自体を確認したい場合もあれば、再現された現象による効果や損益を推量するために行われることもあります。
例えば、ある条件が揃えば地震が起こるという仮説があったとします。その仮説を検証するために実験施設で条件を揃えるシミュレートもあれば、その地震が実際に起きた場合の被害想定をコンピュータで行うシミュレートもあります。
実際にその現象を起こさずに再現を行うため、コストを抑えられる点、実際と同じような予測がしやすい点などがシミュレートのメリットです。一方、実際のシステム(現実世界など)は必ずしもシミュレート通りにはいかないという問題点もあります。
ビジネス用語における「シミュレート」
「シミュレート」は、社会学、生態学、物理学など多様なフィールドで使用されていますが、特にビジネスシーンでの活用例が多いようです。
ビジネスの世界では、限られた資源(人員、資金など)を投資して、最大限の成果を出し続けることが常に求められます。その際に、どのような投資がどのような効果を生むかをシミュレートするスキルは、企業にも個人にも必要になります。
プロジェクトの立ち上げや実行、さらにプレゼン資料の作成などでも、シミュレートが求められる機会は多くあります。そのため、精度の高いシミュレートを行えるスキルを身に着けることが、多くのビジネスパーソンに求められています。
「シミュレート」の主な使い方
- 過去のデータを参考に、連休中の売り上げをシミュレートする。
- 電気代を節約したいので、違う会社の電気料金をシミュレートしてみよう。
- 現実は、シミュレート通りにはいかなかった。
「シミュレート」の関連語
- シミュレーションゲーム…現実の世界をシミュレートして体験したり、コントロールしたりして楽しむゲーム。戦争、行政、経営、恋愛、ペットの飼育・育成など、ジャンルはさまざま。
- シミュレーテッド・リアリティ…シミュレートによって作られる、本物の現実と区別がつかないような現実性のこと。現実がシミュレートではないという証明は可能か、などの議論がある。