「方策」の意味や使い方
「方策」は「ほうさく」と読み、ものごとを処理するための手段や方法のことです。国など、公的なところでなにかを行うための計画をさす場合に使います。
【例文】
- 万全(ばんぜん)の方策を立てる
- 方策が尽きる
- 景気回復のための方策は今のところない
「方策」の語源
「方策」の語源は中国の戦国時代(紀元前5世紀~紀元前3世紀)にあり、「方」は木の板、「策」は竹簡(ちくかん。紙の発明や普及以前、札状の竹に文字を記したもの)を表します。
文字を書くもの→書類→記録というわけで、「方策」は本来、文書や記録のことを言いました。さらにそれが転じて、手立てや対策といった現在の意味が成立しました。
「方策」の類語
「方策」の類語は「策(さく)」「対策(たいさく)」「施策(しさく)」「手(て)」「企て(くわだて)」などがあります。いずれも、なんらかの計画や手段のことです。
方策の類語:策
「策」とは、いろいろ考え実行できるように計画すること、またはその計画のことです。「方策」より具体的で、計画のひとつひとつのステップをさすことが多い言葉です。
- 策が尽きる
- 策士策に溺れる(さくしさくにおぼれる)
- 改善策
方策の類語:対策
「対策」は、ある状況や相手などに対応してとる、具体的な方法や手段のことです。
- 地震が起きた場合の対策を立てておく
- 対策は万全だ
方策の類語:施策
「施策」とは、政治家や行政機関など、公的なものが実際に行う計画のことです。
- 高齢者(こうれいしゃ)に対する施策が必要だ
- 出生率低下(しゅっしょうりつていか)に歯止めをかけるための施策
方策の類語:手
「手」は目的を達成するための手段そのもののことで、慣用句としての表現も多くあります。
- もう打つ手は全部打った
- 彼女を説得するのになにかうまい手はないだろうか
- 手を打つ
- 手を回す
- 手をつくす
方策の類語:企て
「企て」は、工夫して計画を立てること、またその計画のことです。悪いことや失敗の結果について使う場合が多いです。
- 企業買収(きぎょうばいしゅう)の企ては失敗に終わった
使い方の例
使い方の例
- 有効(ゆうこう)な□□…○方策、○策、○対策、○施策、○手、○企て
- □□を練る…○方策、○策、○対策、○施策、×手、×企て
- □□を講(こう)ずる…○方策、○策、○対策、○施策、△手、×企て
- □□を打つ…×方策、×策、×対策、×施策、○手、×企て
「方策」の意味合い別の類語
計画
- 計略
- 謀(はかりごと)
- 目論見(もくろみ)
- 企図(きと)
- 一計
- 一策
- 一法(いっぽう)
- 算段
- プラン
- プロジェクト
- スキーム
- 構想
方法
- 仕法(しほう)
- 手法
- 方式
- メソッド
「方策」の英語
「方策」の英語には、a plan(計画)、a scheme(策略)、a policy(方針)、a means(手段)などがあります。
【例文】
- 基金を集める方策を巡らしている…They are working on a plan to raise funds.
- 彼らの立てた方策がうまくいった…The policy they formulated proved successful./The scheme they formulated worked out well.
- 金をもうける方策が他にあるかもしれない…There may be some other means of making money.
- 金を取り戻す方策が尽きてしまった…He did not know how he could recover the money.