「アウトサイダー」の意味
「アウトサイダー」は「outside(外部)」を語源とし、なんらかの共同体の外側に位置する人や物を指します。その中で狭義の意味として以下の2つに分類できます。
- 集団や組織の非加入者、部外者
- 既成の枠組みから外れた独自の思想に基づいて行動する人
集団や組織の非加入者、部外者
集団や組織の非加入者、部外者としての「アウトサイダー」は、カルテルやトラストなど特定の体制に加盟していない同業者を指す名称です。
とくに否定的なニュアンスはなく、競争的立場にある第三者とも言いかえられます。逆に団体の内部にいる人を「インサイダー」と呼びます。
また、アウトサイダー組合(outsider union)という専門用語がありますが、これは労働組合法に定められた条件を満たさない法外組合を意味します。
既成の枠組みから外れた独自の思想に基づいて行動する人
既成の枠組みから外れた独自の思想に基づいて行動する人としての「アウトサイダー」は、いわゆる社会常識にとらわれない人々を意味します。
発明や改革といわれるものは、そういった常識破りな考えをもつ人によって成し遂げられることが多くありますが、周囲の人からは「変わった人」という評価をされがちですね。
アウトサイダー・アートと呼ばれるものがありますが、これは正規の芸術教育を受けていない独学者や子どもの作品を指します。なんらかの障害を抱えた人が作り手になるケースもあり、自由な発想が芸術的に高い評価を受けることもあります。
「アウトサイダー」の使い方
「アウトサイダー」の使い方としては、第三者としての立場あるいは型にはまらない人という意味で用いられます。
- 彼は社外取締役というアウトサイダーの立場から意見を述べた。
- 目の見えない彼女の描く絵はアウトサイダー・アートとして世間に衝撃を与えた。
「アウトサイダー」の英語の意味
「アウトサイダー」の英語表現にはカタカナ語とは別の独特の意味があります。
- The spa is little known to outsider.(その温泉はよその人には知られていない)
地域の部外者、つまりよそ者を指し、疎外感や閉塞性を伴うニュアンスで使われることがよくあります。
また、競馬などスポーツの賭け事では「a rank outsider」で「まったく勝ち目のない馬、選手」を指し、「favorite(本命、有力候補)」の対義語にあたります。