「さらに」の意味
「さらに(更に)」には、以下の通り3通りの意味があります。
- それに付け加えて、かさねて、その上に
- ますます、いっそう
- 決して、少しも
それぞれ例文を参考に見ていきましょう。
さらに:それに付け加えて・かさねて・その上に
「それに付け加えて、かさねて、その上に」という意味の「さらに」は、ある段階から次の段階へ程度が進む様をあらわします。
【例文】
- あなたの推理は正しいと思うが、さらにこういう見方も可能だ。
- 岡田が打ち、掛布が打ち、さらにバースも打った。
ますます・いっそう
「ますます、いっそう」という意味の「さらに」は、1つのことが重ねて起こったり、時間とともに程度が増すことをあらわします。
【例文】
- 台風が近づくにつれ風はさらに強くなった。
決して・少しも
「決して、少しも」としての「さらに」は、下に打ち消しの語を伴って用います。ただしこの用法は、現在ではあまり使われていません。
【例文】
- 恩を仇で返す気はさらにない。
「さらに」の類語
「さらに」の類語はたくさんありそうですが、ここでは「もっと」「ますます」「いっそう」の3つに絞って吟味します。
「もっと」
「もっと」は、同質のものの程度が高まることをあらわします。
【例文】
- もっと食べたい。
- もっと速く走れ。
「さらに勉強する」は、ある段階に達し、次の段階の勉強をすることを含意していますが、「もっと勉強する」は、勉強する量・時間が増えるに過ぎないことを含意している点が違いです。
「ますます(益々)」
「ますます(益々)」は、プラス・マイナスの程度が高まる事を表しており、価値判断の入っていない文では使えないという特徴があります。
【例文】
- 彼の話は内容があるのでますます期待が膨らむ。
- 顔を思い浮かべたら、会うのがますますいやになった。
「いっそう(一層)」
「いっそう(一層)」は、程度が前よりも一段進む様をあらわします。
【例文】
- 今よりもいっそう努力する。
- 秋がいっそう深まった。
「さらに」の関連語
「さらに」の関連語も数多くありそうですが、ここでは「いよいよ」、「より」、「も少し」、「ずっと」の4つに絞って見ることにします。
「いよいよ」
「いよいよ」には、予想どおりになるという気持ちが含まれます。
【例文】
- いよいよ面白くなってきた。
- 病状がいよいよ悪くなってきた。
「より」
「より」は、それまでの程度と比較して越える気持ちを込めて使用します。
【例文】
- よりよい方法を探る。
- より多くの人に来てほしい。
「も少し」
「も少し」は程度の高まる度合いが少ない場合に用いる表現です。
【例文】
- も少し気にかければよかった。
- 右の端をも少し上へ。
「ずっと」
「ずっと」は、あるものと比較して隔たりや差があることを表します。
【例文】
- あれはずっと前のことだった。
- 彼の方がずっと巧みだ。