「映える」の意味や使い方
「映える(はえる)」は、見ばえがして美しい様子のことです。細かく見ると、3つに分けられます。
- 光に照らされて輝く。照り映える。「山桜が朝日に映える」
- 周囲との調和や対照することによって、あざやかに引き立って見える。「純白のドレスにネックレスが映える」
- 立派に見える。見ばえがする。目立つ。(ただし、打消しの形で使う場合が多い)「風采(ふうさい)が一向(いっこう)に映えない」
最近できた「インスタ映え」という言葉は、3の意味で「映える」が使用されていますね。
「映える」の語源
「映える」は「生える」が語源になっており、同じものに「栄える」もあります。すべて読み方は「はえる」です。
「生える」は、植物や動物の細胞の一部(毛や歯)が中から外へのびて出ることです。特に植物では、芽や葉などが地面の上に出て、目に見えるようになる状態を表します。
枯野が新芽で緑一色に見違えた光景をさして、「映える(あざやか、見ばえがする、美しい)」や「栄える(勢いを得る、盛んになる)」の意味ができました。
「映える」の類語
「映える」の類語は、「目立つ(めだつ)」「際立つ(きわだつ)」「引き立つ」になります。
「目立つ」は視覚的に他とはっきり区別できるような場合に使い、善悪は関係ありません。「際立つ」は良い意味で、他とはっきり区別できる場合に使い、「引き立つ」は何かが加わる(調和や対照)ことによって一段とよくなる、よく見える意味なので、「映える」にもっとも近いニュアンスの言葉です。
その他にも意味合いの似た言葉はたくさんあり、目立つという意味、適合するという意味、映像的な意味の3つの種類に分けられます。
「目立つ」という意味合い
- 人目を引く
- 目を奪う
- 目に飛び込む
- 精彩を放つ(せいさいをはなつ)
- 引き立つ
- 映え映えしい(はえばえしい)
- 際立つ(きわだつ)、水際立つ(みずぎわだつ)
- 目の覚めるような
- 紅は園生に植えても隠れない(べにはそのうにうえてもかくれない)
「適合する」という意味合い
- 相性
- 性合(しょうあい)
- 相容れる(あいいれる)
- 似つかわしい
- そぐわしい
- マッチする
- 様になる
映像的な意味合い
- 照り映える
- 映り合う
- 耀き(かがやき)合う
- 映え渡る
- 映り輝く
- フォトジェニック
「映える」の英語
「映える」の英語表現は以下のとおりです。
- shining(照らされて輝く)
- stand out、be outstanding、be prominent(抜群である、際立つ)
- stands(目立つ)
- be conspicuous、be noticeable(目につきやすい)
- be remarkable(顕著である)
- be striking(印象的である)
- attract attention(人の注意を引く)
【例文】
- 山が夕日に映えている…The mountain is shining in the rays of the setting sun.
- 映える色…a color that stands out/a noticeable color
- あの赤いコートは彼女に映える…She looks very nice in that red coat.
- 石ひとつで庭がぐんと映えてくる…One rock would set off the garden remarkably.
- 教室では彼女は目立たない生徒だった…She was a rather inconspicuous student./She did not stand out in class.