単語「bop」の意味
「bop」の意味
「bop」はたくさんの意味を持つ言葉です。一般的な英単語として用いられる「bop」は、「殴打(する)」、「強く殴る(こと)」、「激しく叩く(こと)」という意味です。
- 例:The robber bopped a stick on the his head.(強盗は彼の頭を棒で殴りつけた。)
音楽用語としての「bop」
音楽用語として用いられる「bop」には、「ボップ/バップ(を踊る)」、「ビバップ(を踊る)」という意味があります。
「ボップ/バップ」または「ビバップ(bebop)」とは、1940〜50年代のジャズスタイルのひとつです。
それまでの10人以上で編成されたビックバンドで演奏されるスウィングジャズとは異なり、数人で編成され、ソロ演奏や即興演奏が多いスタイルで、モダンジャズの始まりとされています。
- 例:Charlie Parker is a pioneer of Bop [Bebop].(チャーリー・パーカーはボップ[ビバップ]の草分け的存在だ。)
略語「bop」の意味
工業用語としての「bop」
「bop」は様々な言葉の略語としても用いられています。工業分野の略語としては次のような意味があります。
- balance of plant:原子力発電所を構成する系統のひとつ。
- basic oxygen process:塩基性酸素製鋼法
- blowout preventer:噴出防止装置。
- bottom of pipe:菅底面。
経済用語としての「bop」
また、「bop」は、経済やビジネス分野では次の略として用いられます。
- balance of payments:支払残高。(国際)収支。
- bottom [base] of the (economic) pyramid:(発展途上国の)低所得階層。貧困層。
- business owners policy:企業所有者保険証券
BOPビジネスとは?
「BOP(base of the economic pyramid)」とは?
「BOPビジネス」という時の「BOP」は、「base of the (economic) pyramid」または「bottom of the (economic) pyramid」の略で、「経済ピラミッドの底辺」、つまり、「低所得者層」、「貧困層」を意味しています。
BOPビジネスとは?
「BOPビジネス」とは、低所得者を対象とする国際的な事業活動のことです。主に、発展途上国の年間所得3000ドル(約30万円)以下の低所得者層を対象として、国と民間企業と開発援助機関が連携し、収益を確保しながら貧困層の生活向上など社会問題の解決に貢献することが目的です。
BOP層には発展途上国を中心に、世界人口の約7割が該当しています。先進国が少子高齢化などにより国内市場が縮小傾向にある中で、将来的に所得拡大が見込めるBOP層は有望な市場として世界的に注目されています。
従来、国際的な大企業と途上国の関係は、企業側が途上国の労働力や環境資源を安価で搾取して利益を上げるというものでしたが、BOPビジネスでは企業と現地のBOP層のwin-winの関係を目指しています。
BOPビジネスの成功例①ユニリーバ
「ユニリーバ」は、イギリスとオランダに本社がある食品・日用品の会社で、東南アジアにおいて次のようなBOPビジネスを展開し、石鹸の販売網を拡大して収益を上げています。
- 低所得者層が買いやすいように、洗剤やシャンプーを小分け販売。
- 農村部の女性を販売代理人として育成し、女性の自立支援も行う。
- 現地政府と協力して、手洗いによる感染症防止の啓蒙活動を実施。
BOPビジネスの成功例②住友化学
日本の大手化学メーカー「住友化学」は、糸に防虫剤を練りこんだ蚊帳を開発してアフリカ諸国に供給したところ、マラリア予防が低コストで実現できることが評価されて、同製品の需要が拡大しました。
BOPビジネスへの誤解と課題
BOPビジネスは、貧困削減へのアプローチのひとつでしかなく、BOPビジネスを展開したからといって低所得者層が市場に変貌するとは限りません。その点において、幻想は捨てる必要があります。
また、BOPビジネスを実施するためには、大きく分けて次のような課題があります。
- 企業に潜在的能力と可能性はあるものの、BOPにまで手がまわらない。
- 活動資源と活動規模を持つ多国籍企業と、現地でのインフラや人脈に強みを持つNGOや現地企業家とのパートナーシップを構築できるか否か。
BOPビジネスには、現地の状況を見極めること、低所得者層を単なる消費者ではなく生産者やパートナーと見なしたビジネスを持続させることが必要とされています。