「蔑む」とは?意味や使い方をご紹介

「蔑む」とはあまり関わりたくない言葉かもしれませんね。「蔑む」はどう捉えても良い意味を持ちません。相手の価値を低く見積もりり、価値がないものとして扱うことを指します。ここでは類語との比較や由来などの解説を通して「蔑む」の意味を説明します。

目次

  1. 「蔑む」の意味
  2. 「蔑む」の由来
  3. 「蔑む」の使い方・例文
  4. 「蔑ろ」との比較
  5. 「蔑む」の類義語
  6. 「蔑む」の英語表現

「蔑む」の意味

「蔑む(さげすむ)」とは他人を自分よりも価値のない人として見下すことです。能力がないことや経済的に恵まれていないことにも使いますが、人格的にいやしいことによく使われる表現です。

「蔑」の字は侮る、無視するという意味です。相手の価値を小さくして無視してしまうということから使われるようになったという説もあります。

また、「貶む」の字が使われることもあります。この字は四字熟語「毀誉褒貶(きよほうへん)」にあるように価値をおとしめるという意味です。

「蔑む」の由来

「蔑む」は名詞形の「蔑み」が変化してできた言葉で、「蔑み」は「下げ墨」という大工作業に由来します。

「下げ墨」は柱の傾きを調べる作業です。縄を水平に渡し、その縄から重りをつり下げます。重りを下へと下げて傾き具合を見積もることから、価値を下に見積もるという意味で用いられるようになったと考えられています。

「蔑む」の使い方・例文

使い方

「蔑む」が使われるのは、相手の能力が自分より下だと認識し、馬鹿にしたい時です。あるいは道徳的でない人を責める時です。

文章中で使われることの多い言葉ですが、会話文でも見られます。その際には「蔑まれる」や「蔑むような視線」など、受身や比喩の形が中心です。

例文

  • 予想はしていたが、取引に失敗してから給料泥棒と蔑まれるのはかなりつらい。
  • 「誤解だよ、これは妹。浮気はしてないよ。頼むから蔑むような目で見ないでよ!」
  • ろくに仕事もせずふらついていると姉はいつも私を蔑んでいる。

「蔑ろ」との比較

「蔑む」には「蔑ろ(ないがしろ)」という読み方もあります。これは「無きが代(なきがしろ)」という言葉からできたそうです。代金になるようなものがない、つまり価値がないということです。

「蔑む」は自分の下という意味合いが強い表現ですが、「蔑ろ」はむしろ価値のなさに重きを置いた表現です

相手にも価値は少しはあるけれど、自分よりは絶対に下なら「蔑む」。そもそも相手に価値がないか、自分と比べればないも同然ということならば「蔑ろ」が適切です。

「蔑む」の類義語

見下す

見下す」は「蔑む」とほぼ同じ意味です。どちらも自分の方が上だと思って相手を下に見ることです。「蔑む」の方がより強い表現で、人格的に劣っていることに多く使われます。

また、「蔑む」は相手に蔑まれる理由があることが多いのに対し、「見下す」は相手には見下される理由がない場合が多く見られるという違いがあります。人格否定なら「蔑む」、劣っていても人間として扱うなら「見下す」となります。

侮る

「侮る(あなどる)」とは相手を軽く見て馬鹿にするという意味です。「蔑む」や「見下す」と同じような言葉ですが、より馬鹿にする気持ちが強く表れる表現です。人格や道徳的な事柄よりも力や技術について使われます。

あざける

「あざける」は相手を馬鹿にすることです。意地悪くからかったり、言葉に出してあざ笑って楽しむことを指します。相手の価値を低く見るというよりも、むしろ馬鹿にして悪く言うことを重視した表現です。

「蔑む」の英語表現

「蔑む」は英語では「look down upon」が最も一般的です。「蔑ろ」に近い表現では「disgain」があります。

また、「あざける」に近くなりますが、「contempt」や「scorn」も文脈によっては「蔑む」の意味で使われます。


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