「見下す」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

ドラマや映画で、悪役が、主人公に対して馬鹿にしたり尊大な態度を取るシーンを見たことがありませんか。それが「見下す」です。「見下す」は目に見えませんが、日常生活にわりとあることですよね。「見下す」とは正確にはどういうことなのか、類語や例文を交えてご紹介致します。

目次

  1. 「見下す」とは
  2. 「見下す」の例文
  3. 「見下す」の類語
  4. 「見下す」(みくだす)と「見下ろす」(みおろす)」の違い
  5. 「見下す」人はどう見られるか

「見下す」とは

人間関係を表す言葉として、上下関係と言う言葉がありますよね。職場での上司と部下の関係など、立場は、上や下、高いや低いといった言葉で表されます。

「見下す」は、相手を自分より下の存在と考えて、過度に、あからさまに、軽く見たり、侮蔑する心や態度を表しています。「見下す」について、類語や似た言葉と比較して詳しくご紹介します。

「見下す」の意味

「見下す(みくだす)」の意味は、おおまかに二つに分けられます。

  1. 下の方を見る。下を見下ろす。
  2. 相手を劣った者としてこばかにする。軽蔑した態度で接する。

1.は使われることはあまりなく、用法としては2.の意味で使われることがほとんどです。

「見下す」の例文

上から下を「見下す」例文

  • 山の頂上に到達すると、喜びもなく、眼下に見下す町をただ眺めていた。
  • 断崖の上から下を、見下しているその男の形相に、不穏なものを感じた。

上記の例文は「みおろす」と読んでもかまいません。しかし、「みくだす」と読めば、ネガティブなニュアンスがより強く表現されます。

「見下す」心や態度の例文

  • あの男を心の中で見下していたが、態度には出さないようにしていた。
  • 見下すような態度に腹が立っていたが、いつか見返してやると我慢していた。
  • 気弱な性格のせいなのか、誰彼となく見下されているような気がする。
  • 人を見下すことによって、僕は体面と自信を得ている。
  • 普段見下している人間から見下されると、非常に腹が立つ。

「見下す」の類語

軽蔑 軽侮(けいぶ)する 軽んじる
蔑(ないがし)ろにする 侮辱 侮(あなど)る
侮蔑 蔑(さげす)む 蔑視
卑しむ 見貶(おと)す 見下げる
見下ろす 見くびる 下目に見る
甘く見る 軽く見る なめる
尻目に懸ける 屁とも思わない 虚仮(こけ)にする

以上は人を「見下す」の類語です。たくさんあるので驚かれたのではないでしょうか。

「見下す」の対義語

敬う・尊ぶ・貴ぶ、など、相手を尊敬する言葉が「見下す」の対義語になります。

「見下す」(みくだす)と「見下ろす」(みおろす)」の違い

「見下す」と書いて、「みおろす」と読むこともできます。

現在は、「みおろす」は、「見下す」と、送り仮名に「ろ」がついていることが多いので、読みの違いに気を使う必要はあまりありません。ただ、昔の作品・作家の場合、「みおろす」の読みでも、「見下す」と書いている場合があるので注意してくださいね。

【みおろす】

自分は三沢のいた病院の三階から見下される狭い綺麗な通りを思い出した。
夏目漱石『行人』

【みくだす】
降りて行く一本の道のほかに見下しうる何物もないみぢめな小さなひとつの場所にすぎないのだつた。
坂口安吾『吹雪物語』

使用法の違い

「みおろす」にも、「見下す」と同じく、「下の方を見る」と、「人を見下す」と二つの意味があります。読みは違えど漢字と意味が同じなので、少しややこしいのですが、文脈で判断することができます。

  • 下の方を見る:「みおろす」が主に使われる。
  • 人を下に見る:「みくだす」が主に使われる。「みおろし」も使われているが、ニュアンスや使用法の違いがある。

「みおろす」は、「人を見下す」などの心理的な意味で使われる時でも、高い所から下を見る、低い場所にいる人物を見る、など高低の描写が必要です。それに対して「みくだす」は、心理や態度を意味する場合、高低の描写は特に必要ありません

「見下す」人はどう見られるか

見下される人や他の人から見て、「見下す」人はどう見えるのでしょうか。

  • 偉そう
  • 上から目線
  • 横柄
  • 何様
  • 思い上がり
  • 尊大
  • 傲慢
  • 高圧的
などなど、いい印象をもたれないのは確かなようです。デートで相手に失望する行為のランキングでも、店員に対して横柄で「見下す」ような態度を取る、というのは上位にランクインされています。

人から見下されると、負けず嫌いや、見返してやろうという気持ちにつながり、悪いことばかりではありません。ただ、人を「見下す」行為は、態度に出さなくても、なんとなく相手に伝わり、のちのちトラブルに繋がったりします。

対人関係で、過度に上下などが気になる方は、少し考え方を変えてそこから脱却すると、肩の力が抜けて気楽に生きられるかもしれませんね。


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