「オフザボール」とは?サッカー戦術を理解するための基本用語解説

サッカーの試合中、選手がボールを持っていない時間は実に90分中88分にも及ぶと言われています。この圧倒的な時間を占める「ボールを持たない動き」こそが、勝利を左右する重要な要素。今回は、サッカー観戦を何倍も楽しめる「オフザボール」の世界を詳しく解説します。

オフザボールとは?オフザボールの意味

選手がボールを保持していない状態、または直接プレーに関与していない状況のこと

オフザボールの説明

オフザボールは、文字通り「ボールから離れた状態」を指すサッカー用語です。対義語は「オンザボール」で、こちらはボールを保持している状況を表します。多くの観戦者が注目するのはボールを持っている選手ですが、実は試合の大部分はオフザボールの時間。この時の選手の動きが、スペースの創出やチャンスメイクに直結します。効果的なオフザボールの動きには、ディフェンスのマークを外す、味方のパスコースを作る、相手の守備陣形を乱すなど、多様な目的があります。戦術的理解が深まるほど、サッカー観戦の楽しみも格段に増すでしょう。

サッカーの真の面白さは、ボールを持っていない選手の動きにあるのかもしれませんね。

オフザボールの由来・語源

「オフザボール」は英語の「off the ball」から来た和製英語で、直訳すると「ボールから離れた」という意味です。サッカー用語として確立されたのは20世紀後半、戦術分析が発展する中で、ボールを持っていない選手の動きの重要性が認識されるようになった時期と重なります。元々はイギリスで使われていたフレーズが、日本のサッカー界に輸入され、現在では完全に定着しています。対義語の「オンザボール」とセットで使われることが多く、特に日本では1990年代後半からテレビ中継などで頻繁に使われるようになりました。

サッカーの真の面白さは、ボールから離れたところで生まれる駆け引きにあるのかもしれませんね。

オフザボールの豆知識

驚くべきことに、一流サッカー選手でも試合中に実際にボールに触れている時間は平均してわずか2〜3分程度しかありません。つまり、90分間の試合のうち87分以上は「オフザボール」の状態にあるということです。また、ドイツの研究によれば、優れたオフザボールの動きをする選手は、1試合で約12kmも走ると言われており、これは単に走る距離だけでなく、方向転換やスプリントの質が重要視されています。さらに面白いのは、オフザボールの動きの評価が高い選手ほど、キャリアが長くなる傾向があるというデータもあります。

オフザボールのエピソード・逸話

元日本代表の本田圭佑選手は、オフザボールの重要性を特に重視していたことで知られています。2018年ワールドカップでのベルギー戦では、最後の攻撃で本田選手がオフザボールの動きで相手ディフェンスを引きつけ、乾選手がフリーでシュートを打つチャンスを作り出しました。また、イニエスタ選手は「ボールを持っていないときの動きで選手の価値が決まる」と語り、自身も常に最適なポジショニングを研究し続けています。世界的な指揮官であるグアルディオラ監督は「現代サッカーではオフザボールの動きこそが戦術の核心だ」と断言し、選手育成において特に重点を置いています。

オフザボールの言葉の成り立ち

「オフザボール」は英語由来の外来語でありながら、日本独自のスポーツ用語として完全に定着した珍しい例です。言語学的には、英語の前置詞「off」が「〜から離れて」という空間的分离を表す性質を活かし、スポーツ用語として専門化されました。面白いのは、英語圏では「off-the-ball movement」や「off-the-ball run」などより具体的な表現が好まれるのに対し、日本では「オフザボール」という一語で概念全体を表す点です。これは日本語が抽象概念を一語で表現することを好む傾向と、カタカナ語の造語力の高さを示しています。また、対義語の「オンザボール」と対をなすことで、概念の理解をさらに容易にしています。

オフザボールの例文

  • 1 サッカー初心者の頃はボールばかり追いかけてたけど、上達するにつれてオフザボールの動きの重要性に気付いたよね。
  • 2 あの選手のオフザボールの動きが絶妙で、気付いたらゴール前でフリーになってたってこと、よくあるよね。
  • 3 テレビ観戦してると、プロ選手のオフザボールの動きの巧さにいつも感心させられる。ただ走ってるわけじゃないんだなって。
  • 4 少年サッカーでコーチに『オフザボールの動きが足りない!』って怒られた思い出、誰でもあるよね。
  • 5 サッカーゲームしてると、ついボールを持つ選手ばかり操作しちゃうけど、実はオフザボールの選手のポジショニングが勝敗を分けるんだよな。

オフザボールの動きの種類と使い分け

オフザボールの動きは目的によっていくつかの種類に分類でき、状況に応じて適切に使い分けることが重要です。それぞれの動きには特徴的な役割があり、チーム戦術の中で効果的に組み合わせることで攻撃の幅が広がります。

  • スペースクリエイション:敵の守備陣形を乱し、味方がプレーしやすいスペースを作る動き
  • パスコース作成:ボール保持者に対して安全なパスコースを提供する動き
  • マーク外し:ディフェンスのマークを外し、フリーでボールを受けられるポジションへ移動する動き
  • デコイラン:敵の注意を引きつけ、味方のためにスペースを空けるおとりの動き

これらの動きは単独で行われることもありますが、複数の動きを組み合わせることでより効果的になります。特にトップレベルの選手は、状況に応じてこれらの動きを瞬時に切り替えながらプレーしています。

オフザボールプレーの歴史的変遷

オフザボールの重要性は時代とともに変化してきました。1970年代までは個人の技術やボール保持能力が重視されていましたが、1980年代以降、戦術分析の発展に伴いオフザボールの重要性が再認識されるようになりました。

  1. 1970年代:トータルフットボールの登場でポジションチェンジの概念が広まる
  2. 1980年代:アリゴ・サッキのミランが組織的なオフザボール戦術を確立
  3. 1990年代:GPS技術の導入で選手の動きのデータ分析が可能に
  4. 2000年代:グアルディオラのバルセロナがポジショナルプレーを進化させた

現代サッカーでは、ボールを持っていないときの動きこそがチームのアイデンティティを決定する

— ペップ・グアルディオラ

関連用語と対義語

用語意味関連性
オンザボールボールを保持している状態対義語
ポジショナルプレースペースを重視した戦術体系応用概念
第三の動きパスを受ける次の選手の動き発展形
デコイラン敵を引きつけるおとりの動き具体的手法

これらの用語を理解することで、オフザボールの概念をより深く把握できるようになります。特に『ポジショナルプレー』は、オフザボールの動きを体系化した現代サッカーの重要な戦術概念です。

よくある質問(FAQ)

オフザボールとオンザボールの違いは何ですか?

オフザボールはボールを持っていない状態やプレーに関与していない状況を指し、オンザボールはボールを保持している状態を指します。サッカーではオフザボールの時間が圧倒的に長く、この時の動きが戦術的に非常に重要です。

オフザボールの動きが上手くなるコツはありますか?

周囲の状況を常に把握する視野の広さ、味方や相手の動きを予測する読解力、そして適切なポジショニングを取る判断力が重要です。また、試合映像を見てプロ選手の動きを研究することも効果的です。

なぜオフザボールがそんなに重要なんですか?

選手が実際にボールに触れている時間は試合時間の2〜3%しかなく、残り97%以上はオフザボールの状態です。この時間の動きでスペースを作ったり、パスコースを作ったりすることで、チームの攻撃や守備の質が大きく変わります。

オフザボールの動きにはどんな種類がありますか?

主にスペースを作る動き、パスコースを作る動き、ディフェンスを引きつける動き、数的優位を作る動きなどがあります。具体的にはオーバーラップ、パス&ゴー、ダイアゴナルランなど多様な動きがあります。

子供にオフザボールの重要性をどう教えればいいですか?

まずはボールを持たないでもゲームに参加できることを理解させ、周りを見る習慣をつけさせましょう。簡単なゲーム形式の練習で、良い動きをした時に褒めてあげることで、自然とオフザボールの動きが身に付いていきます。