「まみれる」の表記と変化した語句
「まみれる」は下一段活用の動詞で、漢字表記では「塗れる」となります。「まみれる」の連用形が変化した語句に「まぶれる」があり、同様に「塗れる」という表記が使われて、意味も同じです。
「まみれる」の意味
「まみれる」には、意味が3つあります。
- 汚い物がくっつく
- トラブルで困っている状態
- 落ちぶれている
最も使われるのは、「汚い物がくっつく」という意味です。例文や使われる慣用句と一緒に紹介します。
意味:汚い物がくっつく
「まみれる」の基本的な意味は、「汚い物が一面に広がってくっつく」「(物が付着していることから)ひどく汚れて見える」です。汚くない物が付いている場合には、「まみれる」は使いません。
泥・ホコリ・汗・血液・手あかなどの汚らしい物がべっとりとくっついている様子、またそのために汚く見える様子を表しています。人だけでなく物にも使います。
- 手あかにまみれた表現を文章に入れるのは良くない。
- ホコリにまみれた古本は買取価額が付かなかった。
- 水たまりで転んだ子供は、泥にまみれてしまった。
意味:トラブルで困っている状態
「汚い物が体にしっかりと付着している」という「まみれる」の原義から、汚いもの=抱えている問題と捉えた用法もあります。こちらは「解決が難しい問題を抱えて身動きが取れずに困っている状態」を表します。
- 汚職問題にまみれて、辞職せざるを得ない。
- 不当な悪評にまみれて、商品の売れ行きががた落ちだ。
意味:落ちぶれている
汚くなった人の様子から派生して、「まみれる」は「落ちぶれている」という意味も有します。たとえば、「一敗地にまみれる」は「たった一回の勝負で再起不能になる」、「一度の対戦で負けて落ちぶれる」という意味の慣用句です。文章の区切りは「一敗、地にまみれる」です。
この場合の「一敗」とは、一回負けたという意味ではなく、一回の戦いで完全に打ち負かされたことを言います。
「地にまみれる」は、敗者が戦死し、内臓が地面に散らばって泥や土ぼこりで汚れている様子を表しています。外見だけでなく内臓までもが汚れている様子から、落ちぶれるという表現ができたと言われています。
「まみれる」と「まみれ」の違い
「まみれる」に似た言葉で「まみれ」があります。「まみれ」も漢字表記で「塗れ」となり、意味も似たように「(物がべったりと覆うように)付いて汚れていること」・「汚らしい感じで付いていること」・「(問題に)困っている状態であること」です。
「まみれ」を使う場合は、名詞の下につけます。
- 久しぶりにジョギングをして、汗まみれになりました。
- ハロウィーンの仮装で血まみれのメークをした。
- 借金まみれでにっちもさっちもいかない。