「壁に耳あり障子に目あり」とは?意味や使い方をご紹介

「壁に耳あり障子に目あり」は、鎌倉時代辺りから使われてきたことわざです。日本だけでなく、インド、中国、ヨーロッパなど、世界中の広い範囲で同様のことわざが見られます。ここでは「壁に耳あり障子に目あり」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「壁に耳あり障子に目あり」の意味
  2. 「壁に耳あり障子に目あり」の例文と使い方
  3. 「壁に耳あり障子に目あり」の類語
  4. 「壁に耳あり障子に目あり」の英語表現
  5. 「壁に耳あり障子に目あり」の諸外国での表現
  6. 「壁」が含まれる表現

「壁に耳あり障子に目あり」の意味

「壁に耳あり障子に目あり」とは、どこで誰が聞いているか、誰が見ているか分からない、という意味です。壁や障子を擬人化し、密談や秘事がもれやすい事を例えたことわざです。

近くに人影が見えないからと安心して話していても、どこで誰が聞き耳を立てているか、誰がのぞき見しているか分かりません。壁にも耳がある、障子にも目があると思うくらいの気持ちで、用心に用心を重ねなさい、という戒めが込められています。

「壁に耳あり障子に目あり」の例文と使い方

  • 加藤さんが離婚したって話、もう知れ渡っているみたい。壁に耳あり障子に目ありだわ。
  • このプロジェクトは極秘です。壁に耳あり障子に目ありですから、各自心するように。
  • ここは個室だけど、課長の悪口言うのはやめようよ。壁に耳ありだよ。

人に聞かれたくないことを話す際、十分に気をつけなくてはいけないと自戒したり、人を戒めたりする際に使われていますね。「壁に耳あり障子に目あり」は、三つ目の例文のように「壁に耳あり」だけで使われることも多くあります。

「壁に耳あり障子に目あり」の類語

「壁に耳あり障子に目あり」は、前半の「壁に耳あり」を定番とし、後ろの表現を変えたものがいくつもあります。
 

  • 壁に耳あり徳利に口あり
  • 壁に耳あり柱に目あり
  • 壁に耳あり石に口あり

また地方によって異なる表現もあるようですので、いくつかご紹介します。
 
  • 壁に耳あり畳に目あり(富山)
  • 壁に耳あり天井に眼あり(長野)
  • 壁に耳あり簀垣(すがき=雪囲い)に目あり(福井)
  • 壁に耳あり天に口あり(福岡、大分)
  • 風の物言い壁に耳(沖縄)

他には以下のような表現があります。
 
  • 耳は壁をつたう
  • 石の物言う世の中
  • 昼には目あり、夜には耳あり

「壁に耳あり障子に目あり」の英語表現

  • Walls have ears.(壁に耳あり)
  • Fields have eyes, and woods have ears.(野に目あり、森に耳あり)


また、earsには「耳」の他に「取っ手」という意味もあることから、以下のような表現もあります。
 
  • Little pitchers have large ears.(小さな水差しに大きな取っ手がついている=子供は耳が早いから、油断してはいけない)

「壁に耳あり障子に目あり」の諸外国での表現

「壁に耳あり障子に目あり」は壁と障子を擬人化した表現ですが、比喩の違いこそあれ、同じようなことわざは世界中で見られます。以下にいくつかご紹介します。
 

  • 窓に耳あり、ドアに眼あり(ラオス)
  • 壁にネズミあり、ネズミに耳あり(イラン、アフガニスタン)
  • 虫に耳あり(アフリカ マサイ)
  • 谷に目あり、藪に耳あり(ルーマニア)
  • 地面に耳あり、噂に羽あり(フィリピン)
  • 昼の話は鳥が聞き、夜の話はネズミが聞く(韓国)

また、中国では古代の政治論集『菅子』に、「牆(しょう=壁)を隔てて耳あり」という表現があります。また、「墻有縫、壁有耳」(塀に隙間あり、壁に耳あり)という表現もあります。

「壁」が含まれる表現

「壁に耳あり障子に目あり」の他にも、「壁」が含まれる慣用句やことわざがありますので、ご紹介します。

壁にぶつかる/壁に突き当たる
それ以上進展しようがないような困難に直面して、仕事などが行き詰まったときに使われます。

壁を破る
困難を克服する、という意味です。障害を押しのけて、新しい段階にステップアップした際に使われます。

壁の穴は壁で塞げ
壁に穴が開いたら、紙や木材などではなく、壁土で塞ぎなさいという意味です。すなわち一時しのぎするのは感心しない、ということです。

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