「併せて」とは?意味や使い方を例文を含めご紹介

「あわせてご確認ください」。ビジネスメールなどでよく使う表現ですよね。この場合、「あわせて」は「併せて」でしょうか、それとも「合わせて」でしょうか。今回は「併せて」の意味や使い方、公用文での使い分けルールについてもご紹介します。

目次

  1. 「併せて」の意味
  2. 「併せて」と「合わせて」の違い
  3. 「併せて」の公用文での使い分けと例文
  4. 清濁併せ呑む
  5. 「併せて」のまとめ

「併せて」の意味

「併せて」は「あわせて」と読み、使い方がふた通りある言葉です。

ひとつめは副詞的な使い方です。「併せて10個です」というように全部でという意味を持ちます。ふたつめは「新年のお喜びを申し上げます。併せて皆さまのご多幸をお祈り申し上げます。」のように接続詞として、さらに、一緒にという意味合いを伝えるために使います。

「併せて」と「合わせて」の違い

「あわせて」と聞くと「合わせて」という漢字も思い浮かびますよね。辞書を引いてみると「併せて」も「合わせて」も一つの項目にまとめられています。しかし、実際には細かなニュアンスの違いがあります。

「併せて」

「併」という漢字には「あわせる」のほかに、「並ぶ、競う」という意味があります。「併せて」を用いる場合、併せるもの同士は並び立つイメージで、その中で基準となるものはありません

「合わせて」

「合」という漢字には「一致させる、あてはめる」という意味があることが特徴です。「一致させる」には基準となる対象が必要です。その点が「併せて」との違いです。

「併せて」の公用文での使い分けと例文

前項では「併せて」と「合わせて」とのニュアンスの違いをご紹介しました。しかし、実際に使い分けようと思うと迷ってしまう場合もありそうです。

「あわせて」は公用文では以下の3パターンで厳密に使い分けがされています。この使い分け方を覚えればビジネスシーンなどでも役に立つことでしょう。

  1. 併せて …「並行して」(副詞)の意味で使う場合
  2. 合わせて …「一致させる」(動詞)の意味で使う場合
  3. あわせて …接続詞として使う場合

1.「併せて」の使い方・例文

「並行」とは複数の物事が並んで進むことを言います。例えば「算数ドリルと漢字ドリルを並行して進める」という場合、算数ドリルと漢字ドリルの内容が合体したわけではありません。それぞれ独立したものを一緒に進めるという意味合いです。どちらかが基準でも優位でもありません。

それを踏まえて例文を見てみましょう。

  • 洗濯と掃除を併せて進めます。
  • サッカー大会とバレーボール大会を併せて開催します。
  • 住所変更届と通勤経路変更届は併せて提出してください。

2.「合わせて」の使い方・例文

基準に一致させるという意味合いの場合は「合わせて」を使います。英語で言うとfitのイメージです。

  • 部長の予定に合わせて会議の日を調整してください。
  • このセーターに合わせてスカートを選ぶつもりです。
  • お客様の好みに合わせて土産物を選びます。

3.「あわせて」の使い方・例文

文章中の接続詞となる場合は、「あわせて」を用います。下記例文の一つ目は冒頭で挙げた例です。公用文では「あわせて」と平仮名で書くのが正解です。

  • 新年のお喜びを申し上げます。あわせて、皆さまのご多幸をお祈り申し上げます。
  • 書庫の整理をお願いします。あわせて、蔵書リストの作成もお願いします。

清濁併せ呑む

最後に「併せる」が使われていることわざ、「清濁併せ呑む(せいだくあわせのむ)」についてご紹介します。

「清濁併せ呑む」とは心が広く、善も悪もそのまま受け入れること。懐が深いことを言います。清=善、濁=悪ということで、善も悪も併せ持つという意味で誤用されやすいので注意しましょう。

「併せて」のまとめ

さて、「あわせてご確認ください」はどの表記が正解なのでしょうか。公用文では、確認する基準があるのなら「合わせて」。何かと並行して確認する場合は「併せて」。接続詞なら「あわせて」。

つまりはケースバイケースというわけです。3パターンのニュアンスをしっかり捉えて、使い分けられるようになりたいですね。


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ