「していきます」とは?意味や使い方をご紹介

普段何気なく「していきます。」という言葉を使ったことはないでしょうか。しかしその意味が何であるか、改めて聞かれるとよく分からないですよね。そこで、もう既に日常生活に溶け込んでしまっている「していきます」について紐解いていきましょう。

目次

  1. 「していきます」の使われ方
  2. 文法で考える「していきます」
  3. 「していきます」と「します」の違い
  4. 「してまいります」や「していきたい」の関連性は
  5. 「していきます」の使い所

「していきます」の使われ方

みなさんは、普段どんな場面で「していきます」を使いますか?

  • 「○○を紹介していきます。」
  • 「勉強をしていきます。」
  • 「仕事をしていきます。」
どれも良く耳にする言葉ですが、はたしてどのような意味なのでしょうか。ここで「○○を紹介していきます。」を例として、一度考えてみましょう。「○○を紹介していきます」という言葉の意味は、どちらだと思いますか?
  1. これから○○を紹介する。
  2. これから○○を紹介して、なおかつ(どこかに)行く。
おそらく大半の人は1の”これから○○を紹介する”と答えるでしょう。このように皆さんが「していきます」を使う時は、今いる地点から違う所へ移動するという意味は持たせず、「~する」という行為に重きを置いています。

文法で考える「していきます」

次に文法的にはどうなのでしょうか。「していきます」を分かりやすく次のように分解して説明します。

【し・て・いき・ます】

【し】:動詞「する」の連用形
【て】:接続助詞
【いき】:補助動詞「いく」の連用形
【ます】:助動詞

補助動詞

この中で、注目すべきは【いき】の部分です。【いき(いく)】は補助動詞といって、他の動詞の後について付属的に用いられる動詞です。ここでいう他の動詞とは【し(する)】のことです。

補助動詞は動詞本来の意味を保たないため、【いき】に「行く」の意味が含まれないのです。

接続助詞

また補助動詞が他の動詞の後につく時に、動詞と補助動詞の間には接続助詞がつきます。それが【て】です。

【し】は元々は動詞の「する」でしたが、【て】が後に付くことで「する」の連用形である【し】に変化したというわけです。

連用形

動詞は後につく言葉によって色々な形に変化しますが、連用形はそのうちの一つの形だと思ってください。例えるなら、「歩きます」の「ます」につながる「歩き」の部分が「歩く」の連用形だと言えます。

語尾の【ます】は丁寧語の意味をプラスする役目を担っていますが、例文でもこの【ます】が付くことで「いく」が連用形になり【いき】になっています。このように、「していきます」は文法的に互いに影響しあっているのです。

「していきます」と「します」の違い

前述の通り【いき】の部分は補助動詞「いく」の連用形であり、補助動詞「いく」には、「行く」という動詞本来の意味は含まれません。ところが実は、「いく」を補助動詞として使う時は、継続・順次のような意味を表す語となるのです。

  1. 歩きます。
  2. 歩いていきます。
1に対して2には、歩いて更にそのまま進むといった継続のニュアンスが含まれるのがおわかりでしょうか。また、以下のような文面の場合はどうでしょう。
  1. 石を拾います。
  2. 石を拾っていきます。
1がひとつの石を拾う動作を連想させるのに対し、2の文章では石がいくつかあるように感じられませんか?これは2の文に順次のニュアンスが含まれるためで、「(いくつかある石を順番に)拾っていきます」と解釈されるからです。

このように「していきます」は「します」の意味に、継続・順次の意味が付加されているわけです。

「してまいります」や「していきたい」の関連性は

「していきます」と「します」の違いが分かったところで、その他の似ている単語との関連性も調べてみましょう。

「していきます」と「してまいります」

「してまいります」は【し・て・まいり・ます】に分けられます。【まいり】は「まいる」の動詞の連用形。
「していきます」では「いく」の連用形である【いき】の部分にあたります。

「まいる」の元の形は「参る」で「行く」の謙譲語です。つまり、「していきます」に謙譲の意味合いが付加されているので、よりへりくだった言い回しになります。

「していきます」と「していきたい」

「していきたい」は【し・て・いき・たい】に分けられます。【たい】は願望を表す助動詞で、文法上の役割は「していきます」の【ます】の部分にあたります。「したい」「やりたい」の意味があり、「していきます」とは意味が異なります。

「していきます」の使い所

昨今「していきます」は世間一般に使われており、日常生活だけではなく、ビジネスの世界においてもしばしば見られる表現となりました。

しかし、「していきます」ではなく「します」で良いのでは?という意見も見られ、受け手によっては不快感を抱く場合もあるようです。

「していきます」には「します」には無い継続・順次といった意味があります。伝えたい内容によって、上手くこの二つの言葉を使い分けられるといいですね。


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