「親の心子知らず」とは?
「親の心子知らず」とは「親の子に対する深い愛情がわからず、子が勝手気ままにふるまうこと」、「自分が親になってみなければ、親の気持ちはわからないということ」という意味のことわざです。
親は子供のことを何かと心配して子供の行動に口を出したり、子供の将来を思って叱ったりするものです。しかし子供はそんな親の思いとは裏腹に反抗したり、自分勝手に自由な行動を取りがちです。「親の心子知らず」はそんな状況を表現しています。
「親の心子知らず」の使い方
「親の心子知らず」は「親の心配をよそに子供が好き勝手をする」といった状況で使います。また親と子だけでなく、先生と生徒、師匠と弟子、上司と部下といった関係性にも使うことができます。親が子の心を知らないという意味で使うのは誤りですので注意が必要です。
- 東京で一人暮らしを始めた子供のことが毎日心配で仕方がないが、親の心子知らずで全く連絡をよこさない
- 一生懸命育ててきた弟子だったが途中で逃げ出すなんて、親の心子知らずである
- 自分も思春期の頃は、親の心子知らずで親に反抗ばかりしていた
「親の心子知らず」の英語表現
「親の心子知らず」を英語で表すと"Children do not know how indebted they are to their parents"となります。
"indebted"は「恩義がある」という意味の単語です。toで「〜に対して恩義がある」となります。なので「子供たちはどんなに親たちに恩義があるのかを知らない」といった意味になり、「親の心子知らず」を表現することができます。
「親の心子知らず」の関連語
「子を持って知る親の恩」
「子を持って知る親の恩」は「自分が親の立場になると、はじめて自分を育ててくれた親の有り難さがわかる」という意味の言葉です。子供を持つまで親の気持ちに気づくことができないという「親の心子知らず」の類語になります。
「子の心親知らず」
「親の心子知らず」の対義語で「子の心親知らず」という言葉があります。「子が親の気持ちに気づかないように、親もまた子が本当に考えていることや努力していることに気がつかない」という意味です。
親からしたらいつまでも子供のように思えますが、子はどんどん成長しています。そんな子の成長に気持ちが追いつかない親を、批判的に言った言葉であると言えます。
「親」にまつわることわざ
「いつまでもあると思うな親と金」
いつまでも親は面倒をみてくれるわけではありません。親もいつかは死んでしまうし、お金も使えば無くなってしまいます。「いつまでもあると思うな親と金」は「人を頼りにばかりせず、節約してきちんと独立するべきだ」という教えのことわざです。
「親の光は七光」
「親の光は七光」とは「親の名声や社会的地位のおかげで、子が幸いを得ること」を意味する言葉です。
「親の光」は親の権力、つまり威光のことを指します。「七」は数が多いことを表します。成功したのは親のおかげで、子の実力ではないという気持ちを込めて使われる言葉です。
「親の欲目」
「親の欲目」とは「親が子供をその子の実力以上に評価すること」を意味します。親はわが子がかわいいためについつい過大評価しがちです。「親の欲目」はそういった感情などに左右される、主観的な見方を批判していう言葉です。
「親の心子知らず」まとめ
子供の時に親の気持ちを理解して、親の望む通りの行動をとるのは中々難しいですよね。自分の欲望に忠実で好き勝手やりたいというのが大半の子供です。
しかし自分を常に思ってくれている親の存在を忘れてはいけません。「親の心子知らず」はそんな親に感謝して大切にしてほしいという願いが込められたことわざなのかもしれません。