「青歯」の意味
「青歯(あおば)」とは、近距離無線通信規格のBluetooth(ブルートゥース)を指したスラングです。Bluetoothを直訳すると青い歯になることから、略称としても用いられている言葉です。
では、なぜBluetoothという名称が使われているのかというと、意外にも歴史を紐解くことになります。
「Bluetooth」の由来
Bluetoothの逐語訳(ちくごやく)は青い歯になりますが、とある人物に与えられた渾名に起因します。また、近距離無線通信規格にBluetoothという名称が選ばれた理由も併せて解説していきます。
語源はハーラル1世
今から遡ること1000年と少し前の中世時代、中央ヨーロッパの北部が舞台です。
当時のデンマークにはハーラル・ブロタン・ゴームソン(Harald Blåtand)という王様がいて、ノルウェーとデンマークを無血統合したことで知られています。そして、12世紀ごろまでの間に書かれたロスキレ年代記(Chronicon Roskildense)によると、ハーラル1世は「浅黒い首領」と呼ばれていました。
この「浅黒い首領」の部分が「Blåtand(ブロタン)」にあたり、デンマーク語から英語に訳すと「Bluetooth」になります。このことから、後世では「青歯王」とも呼ばれるようになりました。
Bluetoothは無線規格の統合を願ったもの
近距離無線通信規格に青歯王という渾名が使われた背景ですが、開発にあたった技術者の願いが込められています。
乱立する無線通信規格を統合したい。こう考えたエリクソン社の技術者が、無血統合して文化の橋渡しを行ったハーラル1世の功績に思い当たります。そして、デジタル機器同士のデータを橋渡しする近距離通信技術に、ハーラル1世の異名である「青歯王(Bluetooth)」が用いられました。
ちなみにですが、横に倒した蝶結びみたいなBluetoothのロゴも、ハーラル1世のイニシャル(H・B)をルーン文字で組み合わせたものだったりします。
そもそも、「Bluetooth」って何?
2.4Ghz帯を使用する無線通信規格で、PCやスマホとキーボードやマウスなどの接続に利用されています。また、国際標準規格のためBluetooth(青歯)に対応してさえいれば製造メーカーにも左右されません。
そして、同じ帯域を使う無線LAN(Wi-Fi)と干渉する可能性がありますが、通信できるデータ量が小さいので消費電力が低く、さらに遅延が起こりにくいという特徴があります。
「青歯」の使い方
青歯はあくまでスラングとしての略称なので、普段の会話では使わないほうが無難でしょう。ですが、少ない文字数でやり取りしたいネット上では事情が異なります。
マウスやキーボード、スマホなどを買い換えたいときの情報集めでは、「これって青歯のバージョンいくつ?」という風に質問してみるのも良いですね。端的に伝わるため、答える側も楽かもしれません。
また、青歯に対応した機器を使い始めるときは、Bluetoothを通して互いに認識させるだけで設定が完了します。このペアリングはどちらかの電源を切っても有効なので、また使いたいときは自動的に接続されるようになっています。
「青歯」まとめ
青歯(bluetooth)は電源を入れるだけ再接続されるので、忙しいときほどこの機能が欠かせません。日常生活においても人間関係で衝突したりせず、青歯のように平和的な繋がりを持ちたいものですね。