マクロビの意味
「マクロビ」とは「マクロビオティック(Macrobiotic)」の略称です。ギリシャ語で「macro」は「大きい・長い」、「bio」は「生命」、「tic」は「学・術」という意味です。すなわち「長寿法」を意味します。
マクロビは桜沢如一によって提唱された食事法です。石塚左玄の食養法に中国の「易」の陰陽論を組み合わせて確立されました。国内では「正食」と呼ばれていましたが、海外に広めるため「マクロビオティック」と名付けられました。
桜沢とその弟子の久司道夫たちは欧米を中心に世界で普及活動を行い、海外から逆輸入される形で日本でも広まっています。
マクロビの特徴
マクロビは肉、魚、卵、乳製品などの動物性食品を控え、玄米を主食として副食に野菜を少量食べるという「玄米菜食」を軸としています。白砂糖や人工調味料は好ましくないものとして避けられます。そして、「身土不二」「一物全体」「陰陽調和」の三大理念に沿って食べることを提唱しています。
身土不二
「身土不二(しんどふじ)」は元は仏教用語ですが、マクロビでは「体(身)と土地(土)は分けられない(不二)」と解釈します。その土地で採れる旬のものを食べるという考えです。
私たちの体は食べ物をはじめ、空気、土、水などその土地にあるものでできているため、自分の住んでいるところでできたものを食べるのが体に適しているとマクロビでは考えます。暑い地域で育つ野菜は体を冷やし、寒い地域で育つ野菜は体を温める作用があるのはそのためです。「地産地消」に似た考えだと言えるでしょう。
一物全体
「一物全体(いちぶつぜんたい)」は食材をすべて丸ごと食べるという意味です。食べ物は全体でバランスが取れているため、丸ごと食べると陰陽のバランスが保てるという考えです。穀物は精白せず、野菜は皮や葉、根が付いたまま食べるのが望ましいとされています。
陰陽調和
陰陽は伝統的な東洋の思想ですが、マクロビでは体を冷やす食べ物(陰性)と、温める食べ物(陽性)があり、どちらも食べることで体のバランスを整えるとしています。
陰性の食べ物
- 体を冷やす
- 水分が多い
- 暑い地域で育つ
- 土より上に成長する
- 春~夏が旬
- 体を温める
- 水分が少ない
- 寒い地域で育つ
- 土より下に成長する
- 秋~冬が旬
マクロビの効果
マクロビは健康増進や老化防止に効果的だと言われています。冷え性が改善し、風邪を引きにくくなります。マクロビ食は脂肪分が少なく食物繊維が多いので、便秘が解消し、美肌効果もあると言われています。
また、ストレスが軽減し、気持ちが明るくなる、集中力が高まるなどの効果もあるとされています。
マクロビとビーガンの違い
マクロビでは肉や魚などの動物性食品を控えることが重要ですが、禁止はしていません。一方、ベジタリアンをさらに厳格化したビーガンは、動物性食品の摂取は厳禁です。また皮革やウールなどの動物製品を身につけないことでも有名です。
マクロビを実践している有名人
マクロビを実践している人を「マクロビアン」と呼びますが、実践している有名人は数多くいます。
海外セレブ
- マドンナ(歌手)
- マイケル・ジャクソン(歌手)
- トム・クルーズ(ハリウッド俳優)
- ジョニー・デップ(ハリウッド俳優)
- クリントン元米大統領
- ゴア元米副大統領
- カストロ元キューバ大統領
- 松井秀喜(野球選手)
- 浅田真央(フィギュアスケート選手)
- カール・ルイス(陸上選手)