「つらみ」の意味
「つらみ」は、「つらい」と同じ意味で使用されます。「つらい」を広辞苑で調べると、次のように説明されています。
本来、他を苦しめるようなむごい、非情な仕打ちについていい、それをこらえかねるほど痛く感じる意をも示す。
①人に対する仕打ちなどが、ひどい。むごい。無情である。薄情である。思いやりがない。
②堪えがたい。苦しい。
③身体に苦痛を感じる。難儀である。
④(多くヅライの形で、動詞の連用形に付いて)その動作をするのが難儀である、困難であるの意を表す。
出典 : 広辞苑第七版
基本的には「つらみ」は「つらい」と同じ意味で使いますが、「つらさ」と同じく名詞のように使うこともできます。「形容詞(つらい)」「名詞(つらさ)」のどちらの役割も兼ね備えているのが「つらみ」という言葉の特徴です。
「つらみ」の使い方
「つらみ」の意味がわかったところで、次は具体的にどのように使われているのか見ていきましょう。
- 「つらい」と同じ使い方をするパターン
- 「つらさ」と同じ使い方をするパターン
「つらい」と同じ使い方をするパターン
「つらみ」は「つらい」と同じ意味なので、「つらい」と表現するところを「つらみ」に置き換えるだけで使えます。
- お金なくてつらみ。
- 彼氏と別れた。つらみ(´;ω;`)
- お腹空きすぎてつらみ…
「つらさ」と同じ使い方をするパターン
「つらさ」と同じ使い方をするパターンでは、他の形容詞や動詞と組み合わせて使います。例えば以下の例文のような言い方をよく見かけます。
- 授業つまらなすぎてつらみしかない。
- 休日出勤しないといけないから、つらみが深い。
- 携帯の充電切れてつらみを感じる。
「つらみ」以外の「◯◯み」表現
「つらみ」の他にも「〇〇み」という表現の言葉があります。
- 「わかる」→「わかりみ」(例文:わかりみが深い。)
- 「やばい」→「やばみ」(例文:宿題やってなくてやばみ。)
- 「うれしい」→「うれしみ」(例文:大会で優勝して、うれしみしかない!)
「つらみ」は最近生まれた言葉ではない?
「つらみ」という表現は若い人の間で使われてる言葉のように考えがちですが、実は昔から使われていた言葉でもあります。
相手の仕打ちをつらいと思う気持。浄瑠璃、五十年忌歌念仏「恨みも-も後を見ていうたがよい」
出典 : 広辞苑第七版
広辞苑の例文として、浄瑠璃の作品のセリフが取り上げられています。非常に恨んでいる様を「恨みつらみ」ということもありますね。また、「◯◯み」という表現は、夏目漱石の書籍にも登場していました。
夏目漱石『道草』より
「バブみ」や「わかりみ」のように形容詞でない言葉を「◯◯み」という表現で表すことについては意見が分かれそうですが、形容詞を「◯◯み」と変形させて名詞的に使用する方法は昔からあったと考えて良いでしょう。
「つらみ」まとめ
「つらみ」が若い人の間で作られた言葉かと思いきや、昔から使われていた言葉だと知らなかった人もいるのではないでしょうか。
ただし、あまり聞き慣れない言葉なので、人によっては「日本語の乱れ」や「気持ち悪い」と捉えることも多いようです。友達同士など親しい関係の人に使う分には良いですが、状況をよく考え、使う場面には気をつけましょう。