計量単位の「合」の意味
日本で昔から使われている「合」(ごう)という計量単位は、「尺貫法」という、面積や長さなどを表す日本独自の単位系の一つで、体積を表すものです。
「合」は「升」(しょう)の10分の1、「勺」(しゃく)の10倍の体積を示します。明治時代に、日本の1升は「約1.8039リットル」と定められたため、その10分の1ということから、1合=約180.39ミリリットルとなります。
「合」の由来
体積を示す計量単位の「合」は、古代中国に由来があるとされます。漢の時代、長さの標準器であった「黄鐘管」を満たす水の量の2倍を、「合」と呼んだことが語源だといわれています。後に「合」は「升の10分の1の量」と定義されるようになったということです。
今でも東アジア地域では、示す量は日本とは異なるものの、こうした「尺貫法」が一部では用いられています。
「合」の換算法
前述のとおり、日本の1合は約180.39ミリリットルです。「リットル」は「1000立法センチメートル」の体積を示す単位です。「ミリ」とは「1000分の1」という意味ですので、1合はすなわち「約180.39立法センチメートル」ということになります。
「立法センチメートル」という単位は「1cc(シーシー)」(ccとは「cubic centimetre」の略)とも表記されます。このため「1合」は「約180cc」と換算して読み替えることができます。
お米やお酒の「1合」とは
現代でもお米、お酒では「合」が主流
現在の日本では、あまり「升」「合」といった昔ながらの単位は使用されなくなりました。これは商取引上、こうした単位での取引が禁止されているためでもあります。
しかし今でも、例えば居酒屋などで日本酒を注文したり、調理でお米を炊いたりする際など、「合」という単位が一般に使われる場面は少なくありません。お米を量る計量カップや、日本酒を注ぐ「徳利」なども「1合、2合」といった単位の方がむしろなじみ深いといえます。
お米やお酒の「1合」の重さ
日本酒は液体、お米は固体ですので、同じ「1合」の体積でも重さは異なります。日本酒の清酒の場合は、水とほぼ同じであり、1合=約180cc=約180gの重さとなります。
一方、お米の場合は「炊く前の生米」と「炊いた後のご飯」とでは体積が異なり、同じ1合でも重さは違います。生米の場合は、乾燥度合いによって若干の違いはありますが、おおむね1合=約150gとされます。
一般に新米より古米の方が水分含有量が少ないため、軽いようです。また籾殻米、玄米など精製の状態によっても重さは異なります。
そして生のお米を炊飯すると、体積は約2.2倍に増えます。白米1合を炊くと、重量は約330gになります。
お米1合のカロリーは?
お米の量としては今でも一般的な「合」。そして「1合」という容量は、日本人が標準的に摂取する1食分のお米の量だとみなされています。
それでは炊いたご飯のカロリー量はどのくらいなのでしょうか。先ほど1合の生の白米を炊飯すると重さは330gになるとご説明しました。炊いたご飯は体積も白米の2.2倍に膨れますので、330gのご飯はどんぶりに大盛り一杯ほどとかなりの体積になります。
生の白米のカロリーは1合=150g=534kcl(キロカロリー)とされます。330gのご飯も同じですが、実際に一般成人がお茶碗一膳で食べるご飯は150gくらいですので、カロリーは240kclほどとなります。
「合」のまとめ
昭和時代までは、年配の人を中心に使われていた「升」「斗」「石」といった計量単位も、今やすっかり「古語」のような存在になってしまいました。ただそんな中でも「合」は、身近なお米やお酒の計量で今でも幅を利かせています。
「1合」というと少ないイメージもありますが、実際の重さに換算すると、ご飯1合は結構なボリュームだと分かります。ただお酒好きの方には「1合」はやっぱり「ほんのちょっと」かもしれませんね。