「付和雷同」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

「付和雷同」という言葉をご存知ですか?小学校で習うので、馴染み深いと言う方も多いと思います。しかし、実際に「付和雷同」を使う機会は少ないのではないでしょうか。ここでは、「付和雷同」をきちんと使える言葉として身につける為、意味や使い方を詳しくご紹介しています。

目次

  1. 「付和雷同」の読み方
  2. 「付和雷同」の意味
  3. 「付和雷同」の由来
  4. 「付和雷同」の使い方
  5. 「付和雷同」のまとめ

「付和雷同」の読み方

「ふわらいどう」と読みます。「付和」を「不和」や「不破」、「雷同」を「雷動」と書くのは間違いになりますので、ご注意ください。また、「付」は「附」とも書きます。

「付和雷同」の意味

「付和雷同」の意味は、自分の定まった意見や主張がなく、安易に他人の言動に同調することです。「付和雷同」の「付和」は、しっかりと定まった意見をもたず、すぐ他人の意見に賛成することを意味しています。そして、「雷同」の意味は、万物が雷にの音に反応して共鳴するように、何の考えもなく他人の意見に同調することです。

「付和雷同」の由来


「付和雷同」は、その言葉がそのまま文献に記載されている訳ではありませんが、由来は、中国の「礼(れい:人が道徳的にとるべき言動のこと)」にまつわる文献を集めた『礼記(らいき)』という儒教の経典の中の、次の一文と言われています。

“毋勦説、毋雷同”
“勦説(そうせつ)する毋(な)かれ、雷同する毋(な)かれ”

これはどういう意味かと言うと、「勦説」の「勦」には「かすめ取る」や「奪い取る」といった意味があります。「説」は、ここでは「意見」や「考え」といった意味です。後半の「雷同する毋(な)かれ」の「雷同」は、先程述べた通り「何の考えもなく他人の意見に同調すること」です。

したがって、「勦説(そうせつ)する毋(な)かれ、雷同する毋(な)かれ」は、「他人の意見を盗んで自分のもののように振舞ってはいけないし、むやみに他人の意見に賛成してもいけない。」という意味になります。そして、逆説的に「自分の意見がなく、簡単に他人の意見に同調すること」を指す「付和雷同」が生まれました。

「付和雷同」の使い方

「付和雷同」という言葉は、どの様に使えばいいのでしょうか。例文を見てみましょう。

「付和雷同」の例文

1.幼稚園でトラブルなく過ごすには、ボスママの意見に「付和雷同」するしかない。
2.孤立をや批判を恐れずに「付和雷同」することなく、堂々と自分の意見を言うことが出来なければ、会議に参加する意味がない。
3.「付和雷同」を良しとしない彼の生きざまは立派だが、しばしば周囲の和を乱していることも事実だ。
4.会社の円滑な人間関係の為に気を使ってきたが、陰で「付和雷同」な人間だと謗られていたと知ってショックを受けた。

「付和雷同」の引用

“「僕は、物事を綿密に考えてみたいんだ。納得出来ない祝宴には「附和雷同」しません。僕は、科学的なんです。」”(乞食学生:太宰治)
 
“なにを好もうがそれは自由であるが、不見識に「付和雷同」し、各個の自由を見失っている場合、少なしとしない。小生はこれを憂うるのである。”(持ち味を生かす:北大路魯山人)

※いづれも青空文庫出典

例文の「付和雷同」からは、自分の意見や主張を全く感じることが出来ません。強い人の意見や、大勢の作り出す場の雰囲気に簡単に流され、自ら考えることを放棄している様な印象さえ受けます。「付和雷同」する人には協調性があるのかもしれませんが、自分の意見を非難されたり、責任を取ることが嫌な人なのかもしれません。

「付和雷同」のまとめ

いかがでしたでしょうか。「付和雷同」の意味や使い方をご理解いただけましたか。社会に出て集団の中で日々過ごしていると、暗黙のうちに「付和雷同」を求められていることがあります。社会の一員として生きていく為には「付和雷同」する事も必要かもしれませんが、大事な時には「付和雷同」せずに、自分を信じて行動していきたいものです。

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