「しめやか」の意味
「しめやか」にはいくつかの意味があります。
まず、「静かで落ち着いている様子」を表す際に使います。この場合、雨や雪の降る様子などにも使われますが、話し合いなど人の声にも使用します。
次に、「気分が沈んでいて物悲しいさま」という意味があります。この意味で使われるのは多くの場合、葬儀です。
そして「女性の容姿やふるまいがしとやかな様子」などを表すこともあります。この場合の「しめやか」は「しとやか」と意味がほぼ同じです。
また、ネット上では単に「静かに」や「控えめに」という意味での使用が見られます。こちらは本来は誤用です。「静かで落ちついている様子」の意味から派生したものと考えられています。
「しめやか」の由来
「しめやか」の由来は正確なことはわかっておりません。一説には「心にしみるような」などに使われる「しみる」が元になったと言われています。
「しめやか」の使い方
「しめやか」の使い方を意味ごとに分けて説明します。
静かで落ち着いた様子
「しめやか」は静けさや落ち着きを表すために使うこともできます。この場合、「しんと」しており、「しんみり」していると理解しておくと間違えにくいです。
- しめやかに雨が降る。
- しめやかな話し声が聞こえる。
- 雪がしめやかなものになる。
葬儀
「しめやか」は人の死に対する悲しみを表すので、葬儀関係に使用します。
- しめやかな葬式だった。
- 葬儀はしめやかに行われた。
- 葬儀会場はしめやかな空気に包まれていた。
女性の振る舞い
おしとやかな女性の容姿や態度、振る舞いなどについて「しめやか」が使われることもあります。
- しめやかな女性。
- しめやかに振る舞う。
「しめやか」の間違った例
「しめやか」は静けさを元に物悲しさを含んだ言葉です。そのため喜ばしいことや感情が含まれないことには使われません。以下で例を見てみましょう。
結婚式
よくある間違いとして、結婚式が挙げられます。「しめやかな結婚式だった。」など聞きそうですが、こちらは基本的には正しくありません。
結婚式は一般には喜ばしいことです。そのため、たとえ静かであっても「しめやか」とは言いません。この場合、「厳かな」の方が適しています。
「しめやか」を英語で表す
「しめやか」は英語では一対一でこれ、となる言葉がありません。その場に適したものを当てはめていく必要があります。以下に使われる可能性のある英単語をいくつか列挙します。
- soft:(気候が)穏やかな、(性格が)優しい
- gentle:(人や風、声が)優しい、穏やかな
- quiet:(音がなく)静かな、(気持ちが)安らかな
- quietly:静かに、落ち着いて
- subdue:(感情を)抑える
- solemnly:厳かに
- funereal:葬式の、陰鬱な
- funerealy:陰鬱に
「しめやか」の類義語
悲しみを表す言葉
悲しみを表す言葉のうち、「しめやか」に似た言葉を集めました。
「物悲しい」は具体的に何が、とは言えないけれどなんとなく悲しいという意味です。同じ意味に「うら悲しい」があります。こちらは「物悲しい」よりも古風な表現です。
「しんみり」は「しめやか」同様気持ちが沈んでいることを表します。「しんみり」はより深い感情を伴うことが多いです。一方、「しめやか」は「しんみり」よりも静けさを重視した言葉です。
静けさを表す言葉
「しめやか」の様に静けさを表す言葉を紹介します。
「しんと」は物音や話し声が聞こえない様子を表す言葉です。「しめやか」と違い「悲しさ」が含まれないので気軽に使うことができます。強調した場合、「しいんと」となります。
「ひっそり」は静かで音のしない様子に使われます。「しんと」と違い、目立たないよう隠れている時に使われることが多くみられます。
まとめ
今回は日常であまり聞くことのない「しめやか」についてご紹介しました。静かなだけでなく物悲しさも含んでいるので、晴れやかな場で使わないよう注意したいですね。