「背に腹は代えられない」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは「背に腹は代(か)えられない」ということわざをご存じですか。身体の一部をたとえにしたことわざは多いですが、こちらは「背」と「腹」という表裏になったものが使われています。この記事では、「背に腹は代えられない」の意味や具体的な使用例をご紹介します。

目次

  1. 「背に腹は代えられない」とは
  2. 「背に腹は代えられない」の語源
  3. 「背に腹は代えられない」の例文と使い方
  4. 「面従腹背」という四字熟語

「背に腹は代えられない」とは

「背に腹は代(か)えられない」とは、「さしせまった大事のためには、ほかの都合などかまっていられない」ということのたとえです。「かえられない」の「か」は「代」と書きます。あるもので他のものに間に合わせる、という意味があります。

「背に腹は代えられない」というように、「変えられる」と間違えやすいですが、「変」は状態や方法などを前と違ったものにする、場所を移動させる、という意味の漢字です。髪型を変える、机の位置を変える、などが例です。

「代える」の使い方としては、命には代えられない、書面を持って挨拶の代わりとする、などがあります。「かえる」には「替える」「換える」など、他にも当てはめられる漢字がありますが、今回は「代」の意味で使われています。

「背に腹は代えられない」の語源

「五臓六腑」という言葉

皆さんは「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」という言葉をご存じでしょうか。まず、「五臓」とは、漢方(東洋医学)で「心臓・肺臓・肝臓・腎臓・脾臓の五つの内臓」を表します。

「五臓六腑」は、前述の五臓に「大腸・小腸・胃・胆・膀胱・三焦(さんしょう:消化と排泄をつかさどるという器官)」という六つの器官を合わせたものです。全部で十一もの体の器官を表すということです。

また、「腹の中・心の中」「腹のすみずみ」という意味もあります。テレビ番組などで、お酒や温かい飲み物を飲む際、「五臓六腑に染み渡るなあ」と聞いたことがあるかもしれませんね。

「背」と「腹」どちらが大事?

「背に腹は代えられない」に話を戻します。前述した通り、「腹」は五臓六腑をかかえる人間にとって大切なものです。一方、「背」には内臓や腸などはありません。どちらを攻撃されるのが痛手かとなると、やはり腹なのではないでしょうか。

このように、腹を大切なものに見立て、それを守るためには多少の犠牲(背)はやむを得ないという考えから、「背に腹は代えられない」と言われるようになりました。

ちなみに、「腹」に関する言葉は、「切腹(せっぷく:自分で腹を切って死ぬこと)」「太っ腹(度量の大きいこと)」など、ほかにも数えきれないほどあります。

「背に腹は代えられない」の例文と使い方

  • 宿題の締め切りが明日だ。Aちゃんは苦手だが、背に腹は代えられないので、賢い彼女に勉強を教えてもらおう。
 
  • 先生からやっといただいた大事な原稿が濡れるくらいなら、自分が雨に打たれてもいい。背に腹は代えられないとはこのことだ。
 
  • 大好きなタレントが初めての握手会をするらしい。今は金欠だが、背に腹は代えられないので、食費を削ってでも参加しよう。

このように、「背に腹は代えられない」は切羽詰まった状況で使われていることがわかります。その物事の重要さ、大切さを伝えたい場面で使うと良いのではないでしょうか。

「面従腹背」という四字熟語

最後に、「背」と「腹」を使った四字熟語「面従腹背(めんじゅうふくはい)」をご紹介します。意味は、「表面では従順なふりをし、心の中では反抗していること」です。読み方も難しく、普段あまり目にする機会はないかもしれません。

「面従」は「表面的に服従するだけであること」を表します。「面」は「つら」とも読み、「顔」という意味があります。上っ面(うわっつら:表面やうわべ、みせかけ)、泣きっ面などとという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。

この「面従」に表裏としての「腹背」が合わさり、隠れた本音を表す言葉になっています。もしも、いつもはなんでも「いいよ」とニコニコして引き受ける人が、実は「面従腹背」だったらショックを受けてしまうかもしれません。


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