「疑心暗鬼」とは?意味や使い方をご紹介

「疑心暗鬼」(ぎしんあんき)という四字熟語をご存知でしょうか。今でも曲のタイトルや歌詞に使われたり、会話の中でも使われたりします。この言葉は古代中国から受け継がれてきた歴史のある言葉です。その意味や歴史(語源)を中心に解説していきます。

目次

  1. 「疑心暗鬼」の意味
  2. 「疑心暗鬼」の語源
  3. 「疑心暗鬼」の原文
  4. 「疑心暗鬼」の用例
  5. 「疑心暗鬼」の関連語

「疑心暗鬼」の意味

疑心暗鬼」とは疑いの心を持っていると、何でもないことまで不安で恐ろしく感じることです。漢字を分解して考えてもイメージしやすいのではないでしょうか。

 

  • 「疑心」=疑う心、仏教では煩悩の根本思想として捉えられえている心
  • 「暗鬼」=暗闇にいるかどうかわからない鬼や亡霊のこと


つまり、疑う心が何もない暗闇の中に鬼を作り出してしまうということの省略として使われています。

「疑心暗鬼」の語源

中国の古書『列子』によります。鉞(まさかり)を失くした男の話に「疑心暗鬼を生(しょう)ず」という言葉が使われました。その話は、以下の通りです。
 

ある日、男が鉞をなくしてしまいました。男は隣の息子を疑うようになります。すると歩き方・顔色・言動・態度など全てが鉞を盗んだ者として見えるようになってしまいます。しかしある日、谷の中でその鉞を男は見つけるのです。鉞を得てからまた隣の息子を見てみると、不思議なことに鉞を盗んでいるようには見えなくなったとのことでした。


その話の続きで「疑心暗鬼を生(しょう)ず」とまとめていることから「疑心暗鬼」を上記の意味で使うようになりました。

「疑心暗鬼」の原文

其(そ)の行歩(こうほ)を視(み)るに、鈇(ふ)を窃(ぬす)めるなり。顔色(がんしょく)も鈇(ふ)を窃(ぬす)めるなり。言語(げんご)も鈇(ふ)を窃(ぬす)めるなり。作動(さくどう)・態度(たいど)、為(な)すとして鈇(ふ)を窃(ぬす)まざるは無(な)し。俄(にわか)にして其(そ)の谷(たに)を抇(ほ)りて、其(そ)の鈇(ふ)を得(え)たり、他(た)日(じつ)復(ま)た其(そ)の隣人(りんじん)の子(こ)を見(み)るに、動作(どうさ)・態度(たいど)、鈇(ふ)を窃(ぬす)めるに似(に)たる者(もの)無(な)し。


出典『列子』より

「疑心暗鬼」の用例

  • だまされているのではないかと疑心暗鬼で信用できない。
  • 海外旅行では盗難に気をつけろと言われ、疑心暗鬼になる。
  • やはり自分の疑心暗鬼に過ぎないのだと気づいた。

「疑心暗鬼」の関連語

「疑心暗鬼」の類義語

類義語には以下のようなものがあります。いずれも疑う心により恐れる必要のないものに恐れてしまう点や、疑うことにより誇大妄想してしまう点が「疑心暗鬼」と共通しています。

 

  • 呉牛喘月(ごぎゅうぜんげつ):暑い呉の地方の牛は月を見ても太陽だと思い、喘ぐことから。
  • 草木皆兵(そうもくかいへい):相手の勢いから草や木も皆敵に見えるほど恐れおののくことから。
  • 杯中蛇影(はいちゅうのだえい):飲んだ後に杯の中に蛇のような影を見て病になることから。
  • 風声鶴唳(ふうせいかくれい):敗走するときは風の音や鶴の声にも恐れおののくことから。
  • 影駭響震(えいがいきょうしん):物陰や物音が聞こえただけで震え上がることから。
  • 杞憂(きゆう):中国古代の杞の人があれこれと余計な心配をしてしまうことから。

 

詳しく見てみると、「恐れ」や「不安」「心配」などの言葉と「疑い」とのつながりが見えてきます。「疑心」だけで調べてみると、実は「仏教での根本煩悩の一つ」としてとらえられているのです。

「疑心暗鬼」の対義語

また、対義語には以下のようなものがあります。

 

  • 虚心坦懐(きょしんたんかい):わだかまりが無く、さっぱりとした様子
  • 光風霽月(こうふうさいげつ):晴れた日の風や霽(は)れた日の月のようにわだかまりのない様子
  • 明鏡止水(めいきょうしすい):曇りのない鏡や止まった水のように心の平静を乱すものが何もない様子。

 

共通点は、わだかまりがなく、心が乱れていない点です。
 

以上の意味を踏まえてぜひ「疑心暗鬼」を使ってみてください。


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