「簡潔」と「明瞭」
まず「簡潔明瞭」は「かんけつめいりょう」と読み、この四字熟語は「簡潔」と「明瞭」、二つの言葉に分けられます。
「簡潔」について
「簡潔」とは、簡単で要領を得ている様子や、手短でハッキリしている様子を表します。それぞれの字について、「簡」には手軽、省くなどの意味があります。「潔」は清らか、不純なモノがないなどの意味を持っています。
「明瞭」について
「明瞭」とは、ハッキリしていることや、その様子を表します。それぞれの字について、「明」にはハッキリ見える、疑いがないなどの意味があります。「瞭」は目がよく見える、物事がハッキリと分かるなどの意味を持っています。
「簡潔明瞭」の意味
上述を踏まえて「簡潔明瞭」とは、単純でハッキリしていることや、簡潔で、かつ明瞭であることを表します。「簡潔」と「明瞭」を組み合わせることで意味を交ぜつつ、ハッキリしていることを強調しているわけですね。
「簡潔明瞭」の使い方
「簡潔明瞭」は「簡潔明瞭だ」や「簡潔明瞭な~」などのように使われます。またこの言葉には「簡単(かんたん)明瞭」という、ソックリな四字熟語があります。
例文①
【例:簡潔明瞭な説明を求める】
これは「手短に要領を得ている説明を求める」や、「簡単でハッキリとした説明を求める」と言い換えられます。
例文②
【例:彼女の意見は簡潔明瞭で、好ましい】
こちらも「短く要領を得ていて~」や「単純でハッキリしていて~」のように言い換えられます。とりわけ「簡潔」の意味を踏まえて、「簡潔明瞭」は説明や意見、会話などを指して使われているのをよく見かけます。
「簡単明瞭」とは?
「簡単明瞭」とは、物事や表現がハッキリしていて、分かりやすい様子を表します。「簡潔明瞭」とは、ほぼ同じ意味ですね。
ちなみに「単」の字には、ただ一つ、一つの纏まりなどの意味があります。「簡潔明瞭」との使い分けは難しいですが、字に含まれている意味を踏まえると、上手く使い分けられるかもしれません。
「簡潔明瞭」に関連する四字熟語
「簡潔明瞭」に関連する四字熟語としては、「単純明快(たんじゅんめいかい)」、「一目瞭然(いちもくりょうぜん)」、「直截簡明(ちょくせつかんめい)」などが挙げられます。
「単純明快」について
「単純明快」とは、物事や文章などが複雑ではなく、すっきりしていて分かりやすいことや、その様子を表します。たとえば「簡潔明瞭な説明」は、分かりやすいという意味で、「単純明快な説明」と言い換えられます。
他の使い方としては、「作戦は単純明快だ」や「彼の行動原理は単純明快である」のような表現があります。
「一目瞭然」について
「一目瞭然」とは、一目見ただけでハッキリと分かることや、その様子を表します。「簡潔明瞭」と比べて細かな意味は違っていますが、ハッキリという部分は通じるところがあります。
使い方に関しては、「違いは一目瞭然だ」や、「グラフにすれば一目瞭然でしょう」のように用いられます。
「直截簡明」について
「直截簡明(ちょくせつかんめい)」とは、人柄や文章などが回りくどくなく、簡単で分かりやすい様子を表します。またこの四字熟語は「簡明直截」とも書かれますが、意味は同じです。
使い方に関しては「直截簡明な文」や「直截簡明な説明」など、他にも「彼は直截簡明だ」のよう、その人の性質を表すときにも用いられます。
「簡潔明瞭」と反対の意味を持つ四字熟語
「簡潔明瞭」と反対の意味を持つ四字熟語としては、「複雑怪奇(ふくざつかいき)」や「婉曲迂遠(えんきょくうえん)」が挙げられます。
「複雑怪奇」について
「複雑怪奇」とは、複雑で分かりにくく不思議なことや、その様子を表します。簡単でハッキリしていることとは、逆の意味ですね。使い方に関しては、「今回の事件は複雑怪奇だ」や、「複雑怪奇な状況」のように用いられます。
「婉曲迂遠」について
「婉曲迂遠」とは、直接的ではないため、回りくどいことを表します。手短なことや簡潔なことからは、掛け離れた言葉です。
使い方に関しては「婉曲迂遠な説明」や、「キミの発言は婉曲迂遠が過ぎる」のように用いられます。