希ガスの意味
「希ガス」は大きく二つの意味で使われます。それぞれ順に見ていきましょう。
元素としての希ガス
「希ガス」は周期表の18族に含まれる元素のことを指します。周期表とは元素を順番に並べた表です。学生時代に水兵リーベ僕の船…と覚えさせられた方も多いのではないでしょうか。
周期表18族にあたるのは、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、ラドン(Rn)、オガネソン(Og)です。
このうちオガネソンは新しく発見された元素であり、詳しい性質がわかっていません。今回はオガネソン以外について紹介していきます。
ネット上での希ガス
ネット上では「~な気がする」という意味で使われます。
「気がする」の誤変換により「希ガス」となったといわれています。
例)
- 道を間違えている希ガス
- このままだと納期に間に合わない希ガス。
- 希ガスは安定している希ガス
希ガスの由来
「希ガス」は英語で「rare gas」と呼ばれています。他のガスとの分離技術が未発達な時代にはとても珍しい気体であったため、「rare gas」と呼ばれていました。英語の「rare」を和訳する時、「希」の字が使われました。
「希」には珍しいという意味があります。「希有(けう)」や「希少」という言葉でお馴染みですね。
「希ガス」と「貴ガス」
実は「希ガス」は英語で「noble gas」とも呼ばれています。「希ガス」には他の元素と化合物を作りにくいという性質があります。他と交わらない、孤高なガスという意味で「noble gas」と呼ばれるそうです。
「noble gas」の和訳は「貴ガス」です。「貴」には高貴な、尊敬という意味があります。
現在ではどちらも使われます。国内では「rare gas(希ガス)」が多く使われますが、海外では「noble gas(貴ガス)」が使われる国もあるようです。この記事では「希ガス」で統一します。
希ガスの特徴
「希ガス」には化合物を作りにくいという特徴があります。全く作らないわけではなく、フッ素や塩素などのハロゲン、酸素などとの化合物を作ることもあります。
希ガスの覚え方
「希ガス」の覚え方をいくつか紹介します。受験勉強などにお役立てください。
変(He)ね(Ne)、ある日(Ar)くるりと(Kr)帰省(Xe)ラッシュ(Rn)
変ね、ある日くるりと帰省ラッシュ。
確かに連休中の帰省ラッシュは行きと帰りで方向が逆になりますね。帰省ラッシュを初めて見る人は変だと思うかもしれません。
変な(He)ねーちゃん(Ne)、荒れ(Ar)狂い(Kr)規制(Xe)される(Rn)
変なねーちゃん、荒れ狂い規制される。
規制は交通規制なのか、それとも放送規制なのか。ねーちゃんに何があったのでしょう。そして何をしたのでしょう。気になります。
変(He)ね(Ne)、ある日(Ar)くるくる(Kr)キセ(Xe)ラドン(Rn)
変ね、ある日くるくるキセラドン。
キセラドンがなんなのかわかりませんが、ある日突然くるくると回りだしたら確かに変ですね。
希ガスの利用方法
ヘリウムガス
ヘリウムといえばやはりガス気球ですね。昔は水素が使われていました。しかし、水素は爆発することもある危険な元素です。そのため現在ではヘリウムが使われています。
また、パーティ用の声の変わるガスとしても販売されています。酸素が入っているので窒息の心配もありません。
ネオンライト
ネオンはネオンライトとして耳にされることもあるでしょう。お店の看板として使われていますね。最近はLEDに押されている気がしますが、まだ健在のようです。実はアルゴンも使われています。
医療目的
「希ガス」は医療の現場でも活躍します。
たとえばキセノンには麻酔効果があります。あまりメジャーではないようですが、取り入れている病院もあるようです。
また、ラドンは放射能があるため、がん治療に用いられることもあります。温泉に溶けているラドンは微量であるため、人体への影響は少ないといわれています。
まとめ
今回は「希ガス」についてご紹介しました。内容を以下にまとめます。
- 「希ガス」は18族の元素のこと
- 「希ガス」は「気がする」の意味でも使われる
- 「希ガス」も「貴ガス」もどちらも使われる
- 「希ガス」は安定している