「適材適所」とは
複数の辞書で「適材適所」の意味を確認(引用)
適材を適当した部署におくこと。
・広辞苑
人を、その才能に適した地位・任務につけること。
・明鏡国語辞典
その人の能力や適性を考慮して、その人にふさわしい地位や仕事につけること。
和英辞典から「適材適所」の英語表現を確認(引用)
"the right person in the right place"
(適材適所)
・最新日米口語辞典
"right man for-the right-job"
(適材適所)
・プログレッシブ和英中辞典
"We must put the right man in the right place."
(適材適所ということを考えねばならない。)
辞書の解説を比べてみてみると、「適材適所」は多くの場合、ビジネスシーンを連想させる四字熟語であり、ある人の能力や適性を考慮して、その人にふさわしい地位や仕事につけるという意味があることがわかります。
「適材」と「適所」の意味
「適」とは
まず、日本語では2回出てくる「適」とは、望ましい性質や能力などを備えていることを意味します。また、英語の場合は、同じく両方ともに"right(正しい・当を得た)"があてられています。
一方で「材」や「所」に関しては、意味合いによって日本語の意味や英単語が変わってくるといえるでしょう。
「適材」とは
日本語で「適材適所」の「適材」といえば、人間のことを言っていることがほとんどです。英語でも"person(人間)"や"man(男性・…に従事する人)"という言葉が使われています。
ただし、英語表現の場合、"man"にしてしまうと男性の意味合いが強くなってしまいうことから、女性差別語だとして"person"を用いる向きもあるようです。
「適所」とは
では「適材適所」の「適所」はどうでしょうか。「適所」には、日本語の意味でも大きく分けて二つの意味合いがあるといえます。一つ目は、職場での立場や地位についての「適所」であり、二つ目の意味は、業務内容的な意味を持つものです。
■立場や地位
一つ目の立場や地位について言うときの「適所」にあたる英単語は"place(場所・地位・身分)"が入ります。
■業務内容
二つ目の業務内容的な意味合いの「適所」の場合は、"job(仕事・職)"がきます。"place(プレイス)"、"job(ジョブ)"という言葉は、どちらも英語を習ったことのある人であれば一度は耳にしたことのある英単語ですから、意味合いの違いも理解しやすいのではないでしょうか。
「適材適所」の時代背景
近年ではコンピューターやインターネットの普及から、今まで人間がしていた仕事がコンピューターなどに切り替わってしまった仕事がたくさんあります。そのような時代背景から、ロボットに代わらない人材が、より強く求められるようになりました。
また一方で、超高齢社会を迎えた日本社会は、人材不足に悩まされ、より効率的で質の高い仕事をすることへの要求が高まってきています。
この社会的な要求を満たすために、「ふさわしい人材」が「ふさわしい場所」で働くことで社会貢献度を上げていこう、という動きが「適材適所」という言葉として今、注目されているのではないでしょうか。