「後の祭り」とは?意味や使い方を「祭りの後」との違いも含めてご紹介

「もう後の祭りだ」と心の中でつぶやいて後悔することはありませんか?仕事や勉強をしていると時々使ってしまうフレーズですね。それでは何故祭りなのでしょうか。後の祭りという言葉の由来や例文、また使用する場合の注意点などをご説明します。

目次

  1. 後の祭りの意味
  2. 後の祭りの由来
  3. 後の祭りの例文
  4. 後の祭りの類語
  5. 後の祭りの英語表現
  6. 祭りの後との違い
  7. 後の祭り まとめ

後の祭りの意味

「後の祭り」、皆さんもよく耳にする言葉ではありませんか?一言でいい換えると「後悔」という言葉に置き換えられるかもしれません。日常に仕事などをしていても忙しさのあまり約束の時間に遅刻したり、指示された資料の作成が締め切りに間に合わなかったり、「しまった」と後悔してもまさに「後の祭り」です。

すなわち、「するべき時を逃しては、あれこれ考えたり慌てたりしてもしょうがない」という意味になります。

後の祭りの由来

よく使われる慣用句ですが、それでは何故祭りなのでしょうか。それには二つの由来があります。

祇園祭に由来する説

京都の祇園祭は7月に催される日本三大祭りの一つです。この派手な祇園祭では、絢爛豪華な山鉾(やまほこ)が練り歩く山鉾巡業(やまほこじゅんぎょう)を「前の祭り」と呼び、巡業後の山鉾が還るのを送る後祭事を「後の祭り」と呼びます。この祇園祭における「後の祭り」が、華やかさがなく、わざわざ見に行ってもしょうがないという事から転じて、後悔・手遅れの意味になったと考えられているのが一つ目の説です。

葬儀に由来する説

亡くなった方の弔う葬儀に関して、死んだ人に対して盛大な葬儀(まつり)を行なっても仕方がない、として故人の死を後悔する気持ちからこの表現が使われるようになったと考えるのが二つ目の説です。

いずれの説も定かではありませんが、後から騒いでも意味がないというニュアンスは同じですね。

後の祭りの例文

後の祭りという言葉は、後悔の念を込めて自分自身に対して使う場合と、後になって慌てている様を指摘されて他者から言われる場合と二通りあります。

自分自身に使う場合の例文

  • 締め切りが昨日までだったので今さら申し込んでも後の祭りだ。
  • 彼女をとられてから好きだと気づいても後の祭りだ。

タイミングを逃した自分に対して自虐的につぶやく言葉ですね。

他者から言われる場合の例文

  • 今さら誤っても後の祭りだよ。
  • 不合格になってから後悔しても後の祭りだね。

いずれの印象もアクションが遅いことをとがめられてる言葉です。また、一方では後悔しないように励ましの言葉として他人からは言われる場合もうあります。以下のような例文です。
 
  • 後の祭りにならないように、今から練習しよう。
  • 今さらうじうじしても後の祭りだから、次回のためにがんばろう。

もともとの意味ではネガティブな言葉ですが、逆説的に良い方向の言葉に転じられています。

後の祭りの類語

同じような意味として使われる言葉もいくつか存在します。
 

  • 後悔先にたたず
  • 証文の出し遅れ

普段の会話のなかでは「もはや手遅れ」や「後戻りができない」などの表現が同義として使われることばです。また、「覆水盆にかえらず」という慣用句もほぼ同義語といえます。この場合は、一度おかした失敗は取り返しがつかないという意味になります。

後の祭りの英語表現

  • A day after fair
  • After death, call doctor

などがあげられますが、少し直訳に過ぎる印象があります。意味を考えた提携文として類義の「覆水盆に帰らず」の英語表現である"Amount to crying over spilled milk."(こぼれたミルクは元に戻らない)や、"Lock the barn door after the horse is out."(馬小屋から出た後にドアを閉めても仕方がない)などのほうが適切だと考えられます。さらに日常的な会話表現では、単に"too late"でも表現できます。

祭りの後との違い

非常に似た慣用句として「祭りの後」と言う言い方があります。きらびやかで賑やかな祭りが終わって以前よりも寂しさを感じるような場面で使われます。一般的には「祭りの後の静けさ」という一連の言葉として使用されます。寂しさや時機を逸したというニュアンスはありますが、後悔という意味合いは含まれていません。

後の祭り まとめ

後の祭りは日常的によく使われる言葉ですが、自分自身に対しても他人に対してもやや非難するようなニュアンスが含まれる場合が多いのが現実です。日々時間に追われる生活では後の祭りを時々実感してしまう言葉ですが、できるだけ使うことの無いように、「備えあれば憂いなし」を心がけていきたいですね。

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