「時は金なり」の意味
「時は金なり」とは、西洋のことわざ「Time is money.」を語源としており、「時間はお金と同様に大切なものだから、決して無駄にしてはいけない」という意味が込められた日本のことわざです。すなわち、「時間は金銭と同じように価値あるものなのだから、有効に使うべきだ。」とも言えます。
「時は金なり」の由来
「時は金なり」の語源となった「Time is money.」という言葉を遺したのは、アメリカ合衆国のベンジャミン・フランクリンです。彼は印刷業で成功を収めたのち、政界に進出し、アメリカ独立に貢献したことで知られています。
また、物理学者としての一面も持っており、雷の正体が電気であることを突き止めとています。また、ビルなどの屋上に立つ避雷針を発明したことでも有名で、その肖像画は現在の100ドル札にも印刷されています。自身の著書である『若き商人への手紙』の中で「Time is money.」という言葉が登場しています。
「時は金なり」の使い方
「時は金なり」の使い方を例文で紹介します。
- 時は金なりなんだから、だらだらしてばかりだと良くないよ。
- 迷っている暇があったら挑戦しよう。時は金なりなのだから。
- 時は金なりとはいえ、休まず働いてばかりなのも考え物だ。
上記のように、ことわざのもつ「時間を無駄にすべきでない」というニュアンスをそのまま表現する場合に用いられます。
英語では何という?
元々は西洋から入ってきた言葉であり、英語圏でも同様な意味合いで使われる言葉があります。「Time is money.」をそのまま使う場合もありますが、その他の表現をここでいくつか紹介いたします。
・Nothing is more precious than time. (時間ほど貴重なものはない。)
・If you lose your time you cannot get money. (時を無駄にすれば、お金は得られない。)
どちらも直訳すると、意味が違うように感じられますが、ニュアンス的には同様の意味です。
同じ意味をもつ他の言葉
「時は金なり」と同じような意味を持つ言葉を、合わせて覚えられるよう、いくつか紹介します。
① 一刻千金
蘇軾「春夜詩」の「春宵一刻値千金」を語源としており、「わずかな時間が千金にも相当する」という意味が込められています。転じて、「楽しい時や貴重な時が早く過ぎ去ってしまうのを惜しむ」という意味合いもあるようです。時間はお金同様、高い価値をもつというニュアンスは、「時は金なり」と同じですね。「一度にたやすく大きな利益を得る」という意味の「一攫千金」と混同しやすいので、注意しましょう。
■例文
「昨夜友人たちと過ごした時間は一刻千金だった。」
■誤用
「一刻千金をねらって一か八かの賭けに出た。」(「一攫千金」との混同)
② 一寸の光陰軽んずべからず
「時は金なり」と同様、「わずかな時間も無駄にしてはならない」という戒めを表す言葉です。朱熹の『偶成』の一説を語源としています。「一寸」とは「わずかな」という意味で、「光陰」は「時間、年月」という意味があります。
■例文
「若いうちに遊びすぎるのはよくない。一寸の光陰軽んずべからずだ。」
まとめ
ことわざといえば、日本に古くから伝わるものというイメージが強いですが、今回の「Time is Money」ように海外の言葉を語源としているものもありますので、しっかり抑えておきましょう。