「ダリア」の花言葉とは？意味や使い方を由来を含めてご紹介

「ダリア（英語表記: dahlia、学名：Dahlia）」は、キク科ダリア属の多年生草本植物です。

原産地はメキシコで、18世紀にスペインに持ち込まれました。日本には19世紀に長崎の出島に輸入され、和名を「天竺牡丹（テンジクボタン）」と言います。なお、「ダリア」の名は、スウェーデンの植物学者、アンデシュ・ダール (Anders Dahl) にちなむものです。

「ダリア」の特徴は大きく色鮮やかな花で、庭植えや切り花として広く流通しています。栽培方法は、春に球根が植えられ、夏から秋にかけて成長・開花します。そのため、俳句季語においては「晩夏」の植物に分類されています。

「ダリア」は観賞用の植物として人気ということもあり、品種改良が進んでいます。花の色は赤、白、黄色、オレンジ、ピンク、藤色など様々で、絞りやグラデーション、斑入りなど柄も多様です。花弁の数も多種多様で、特徴に合わせてデコラティブ、フリルド、ポンポンなど様々に分類されます。

良い意味の花言葉としては、「華麗」「優雅」「威厳」「栄華」「感謝」などがあります。

悪い意味の花言葉には、「移り気（気まぐれ）」「不安定」「裏切り」などがあります。

「ダリア」の特徴は大きく色鮮やかな花です。中でも「赤」は「華麗」、「白」は「感謝」、「黄色」は「栄華」などと解釈されることが多いようです。

「ダリア」は1789年、当時植民地であったメキシコから、宗主国のスペインにもたらされました。マドリード王立植物園に導入された花が開花したのは翌1790のこと。以降は品種改良がなされつつ、ヨーロッパの王侯貴族中心に広まっていったものと考えられます。

「華麗」「優雅」「威厳」「栄華」といった花言葉は、「ダリア」の花が持つもともとのイメージの他に「王侯貴族によって愛された花」という印象も加わったものと思われます。

フランス革命（1789〜1799）に前後して、「ダリア」の栽培が流行しました。王侯貴族が断罪され、権力者が日夜入れ替わり、ギロチンによる恐怖政治などが横行する情勢の中で流行したことにより、「移り気」「不安定」といった花言葉が生まれました。

一方、親しい人同士で白い「ダリア」を送りあったことから、「感謝」の意味も生まれたと言われています。フランス国旗（三色旗／トリコロール）のうち、「白」は「平等」を表す色とされているので、そうした色彩感覚も関係しているのかもしれません。

「ダリア」の花をことさら愛した著名人の中に「ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネ（ジョゼフィン）」がいます。ジョゼフィーヌはフランス革命後の動乱を制し皇帝となった「ナポレオン・ボナパルト」の最初の妻です。

ジョゼフィーヌは愛する「ダリア」を独占したいがため、それを一輪欲しがったある女貴族の申し出を無下に断ったといいます。女貴族はそんな彼女に腹をたて、愛人のポーランド人貴族とジョゼフィーヌの庭師と共謀して球根を盗みました。それに激怒したジョゼフィーヌは、庭師を解雇し、ポーランド人貴族を追放してしまったといいます。

フランス領西インド諸島出身のエキゾチックな美人であり、恋多き女でもあったジョゼフィーヌ。彼女は「ダリア」が別の貴族の邸宅にも咲き乱れるようになると、その花に対する興味を失ってしまったといいます。「気まぐれ」「裏切り」といった花言葉には、このジョゼフィーヌの面影がちらつきます。

原産地であるメキシコでは、「ダリア」は「国花」に指定されています。その花が愛されたことはもちろん、先住民族の間では薬用・食用として重宝されていたようです。国花への指定は1963年、当時のマテオス大統領によってなされました。

「ダリア」の正式な和名は「天竺牡丹」ですが、ほかに「浦島草」という呼称もあります。これは、「ダリア」の花期が他の花に比べて長いので、浦島太郎の長寿になぞらえてそう呼ばれています。花言葉としては一般的ではないものの、「長寿」のお祝いとしてダリアを贈呈するのも良いかもしれません。