「空前絶後（くうぜんぜつご）」とは、「以前にもあったことが無く、今後もないと想像されること。また、非常にめずらしいこと。」つまり「そのようなことが過去にも無く、将来にもありそうにないほど、めずらしいこと。」をいいます。「空前」は「これまでにないこと」をいい、「絶後」は「今後もありそうにないこと」をいいます。

「空前絶後」は次のような使い方が考えられます。

 

• 「大臣の今回の発言は、経済界に空前絶後の影響をもたらした。」
• 「いつもモテない彼に、空前絶後のモテ期が到来した。」
• 「あの子に彼氏ができるなんて、空前絶後の大事件だ。」
   

「空前絶後」は日常生活において頻繁に使うと新鮮味が薄れて、ただの大げさな表現をする人として相手に受け取られかねません。ここぞという時に使う言葉としてタイミングをよく見極めましょう。

ちなみに、「空前絶後」の類義語には「前代未聞」があります。「前代」は「これまで、今に至るまで」、「未聞」は「聞いたことがない」という解釈ですので、「前代未聞」は、まさに「これまで聞いたことがない」という意味となりますね。

「空前絶後の」の英訳には「the first and probably the last…」と「the greatest ... of all time」という表現ができるようです。「the greatest ... of all time」を使う時、「空前絶後の名著（めいちょ）」と言う場合は...の中に「book」を入れて「the greatest book of all time」のように言います。このフレーズがベストセラー本のカバーに印刷されていたら、思わず手に取ってみたくなりそうですね。

「空前絶後」の由来といわれている故事を以下に紹介します。昔、中国の皇帝だった徽宋（きそう）という人が、呉道子（ごどうし）という画家を次のように絶賛したシーンです。
 

呉道子（ごどうし）が「空前絶後」な存在だということを示す内容ですね。呉道子（ごどうし）は皇帝がそれだけお気に入りの画家だった、ということでしょう。

その他、「空前絶後」といえば、ゲームの「空前絶後最強フュージョン」が思い浮かぶでしょうか。「空前絶後最強フュージョン」は、「ドラゴンボールZドッカンバトル」というスマホゲーム中の、人気イベントの一つです。

 

また、「ドラゴンボール」の続編の一つである、「ドラゴンボール改　魔人ブウ編」のオープニングテーマにも「空・前・絶・後Kuu－Zen－Zetsu－Go」という、Dragon Soulの谷本貴義さんが歌っている曲があります。
 

「ドラゴンボール」は今や世界中の人に読まれ、愛されているマンガで、本、ゲームなど関係するさまざまな商品もまさに「空前絶後」の売上を計上しているようです。