「屁理屈」とは?
「屁理屈」とは、道理の通っていない、こじつけの理論です。一見、正しいことを言っているようでも論点がずれていたり、主張者の都合のいいように理屈が捻じ曲げられていたり。それでも正当性を主張しようとするのが「屁理屈」です。
「屁理屈」の使い方
「屁理屈」という語を使った言いまわしにはいくつかのバリエーションがあります。「屁理屈を言う」とも言いますが、「屁理屈をこねる」「屁理屈を並べる」といった使い方もできます。また、「屁理屈」を言う人のことは、「屁理屈こき」「屁理屈屋」「屁理屈野郎」などと呼んだりします。
「あの人は屁理屈こきだ」「お前はすぐに屁理屈をこねる」「屁理屈野郎は嫌われるぞ」など、いろんな言い方ができます。
「屁理屈屋」の特徴
「屁理屈屋」には、一般的に以下のような特徴がみられるようです。
プライドが高い
負けず嫌いだったり、謝ることが嫌いだったりと、プライドが高い人が多いとされています。叱責や注意を受けると、自分の非を認めなくないので、「屁理屈」をこねます。
語彙が豊富
言語能力が高いともいえますが、「屁理屈こき」は語彙が豊富です。言い負かされそうになると、相手の知らないような難しい言葉を駆使して、反論できない状況に持っていくことが得意なようです。
ひねくれている
なかには、自分が「屁理屈屋」であることを自覚しており、わざと「屁理屈」をこねて相手をからかい、その反応を見て楽しむという人もいるようです。
じつはこのタイプは、真剣に相手を言い負かそうとか、自分が絶対に間違っていないと思っていることは意外と少ないようです。むしろ、無茶苦茶なことを言っているのを自覚しながら、相手がそれに気づくかどうかを試している節もあるといいます。非常に厄介なタイプといえるでしょう。
「屁理屈」にまつわるエピソード
「屁理屈」がどういうものかを理解しやすくするために、ここでは2つのエピソードを挙げ、それぞれ解説します。
エピソード
- その小学校では、給食の時間に、ご飯(パン)・汁物・おかずの三角食べを推奨していました。それに対してある児童が、「どうせ腹の中で一緒になるんだから、三角食べなんて意味ないよ」と反論しました。
- 妻に浴槽のお湯のたまり具合を見てきてほしいと頼まれた夫が、「見てきた」と言って戻ってきました。たまり具合はどうだったかと聞かれると、「いっぱいだった」と答えますが、お湯は止めていなかったのです。どうして止めてくれなかったのと責められた夫は、「いっぱいだったら止めてとは言われなかったから」と答えました。
解説
給食の例では、学校は「バランスよく残さず食べる方法」として三角食べを勧めているのであって、お腹に入れば一緒と反論するのは、少々論点がずれているといえるでしょう。
浴槽の例も、お湯がいっぱいになっていたら止めるのが普通の感覚です。それを「言われなかったから」と反論するのは、通常の感覚と乖離(かいり)しているか、わざと嫌がらせをしているとしか思えません。
このように、「屁理屈屋」にもそれらしい理屈はあるのですが、論点がずれていることが特徴です。上記の例はわかりやすい屁理屈ですが、場合によっては、自分が間違っているのかもしれないと思わされたり、うまく言いくるめられてしまったりする危険性がないとはいえません。
頭の回転は悪くない
「屁理屈屋」は頭の回転が悪くないどころか、なかには頭脳明晰な人もいます。こじつける才能と言いましょうか、どんどん言葉が浮かんでくるのです。論理的思考に優れた人も多いようで、相手は困ってしまうことがあります。叱責や注意を受けたときに、自分が悪いことがわかっているため、あえて論点をずらすことで形勢逆転を狙おうとするようです。
論点さえしっかりおさえれば、持ち前の論理的思考力をいかしてディベートなどにも応用できそうですが、自分の非を論理的に突かれると言い負かされるので、「屁理屈」を有効活用できる場は少ないでしょう。