「ゆめかわ」の意味
「ゆめかわ」とは、「ゆめみたいにかわいい」という言葉の略で、「ゆめかわいい」とも呼ばれます。女の子の夢を具現化したような、甘くてメルヘンチック、幻想的な可愛らしい世界観やスタイルを表すときに用いる表現です。
しかし、ジャンルとしての明確な定義は存在せず、あくまで「女の子の夢のようにかわいいスタイル」を「ゆめかわ」という概念として指すことが多いようです。
「ゆめかわ」の特徴
色
「ゆめかわ」な世界観では、「夢のようにぼんやりとモヤがかかった世界」と表現されることもあるように、全体的にパステル調のカラーが多く用いられます。具体的には、パステルピンクやパステルブルー、パステルパープルといった淡い色調が主で、黒や赤といったような原色は色の主張が強いため、あまり用いられません。
また、ピンクや白が多用されたいわゆる「甘ロリ」のスタイルとも被る部分がありますが、「ゆめかわ」では暖色系だけでなく、淡いミントグリーンやラベンダーといった寒色系が入っているのも特徴とされています。イラストなどでは、「ゆめかわ」な甘くて幻想的な世界観を表現するために、線の色もグレーや青、水色といったような淡いカラーが多く使われています。
モチーフ
「ゆめかわ」なイラストやグッズでは、共通したモチーフが多く存在し、それらが「ゆめかわ」を代表するモチーフとなっていることも多くあります。例えば、天使の羽、魔法少女や魔法のステッキ、幻獣(ペガサスやユニコーン)は、夢の中にしかない存在として、「ゆめかわ」なイラストやグッズに多く描かれています。
また、パステルカラーのふわふわの綿菓子、シャボン玉、虹なども「ゆめかわ」の世界観の表現に多く用いられます。星やハート、リボンといったモチーフは、ほかのジャンルでも用いられますが、「ゆめかわ」ではそれらをメルヘンチックに描くことで、夢のような世界観を表現しています。
「ゆめかわ」なキャラクターや作品
「ゆめかわ」という概念が誕生する前から、のちに「ゆめかわ」と言われるようなキャラクターや作品はいくつか存在しています。また、「ゆめかわ」という概念ができてから「ゆめかわ」をテーマに作られたものもあります。
以下にその例をいくつか紹介します。
- リトルツインスターズ
1975年にサンリオから誕生し、今でも根強い人気を誇るキャラクターです。キキ&ララという名前でご存じの方も多いと思います。
- 魔法の天使クリィミーマミ
1983年に放送された魔法少女もののテレビアニメで、「ゆめかわ」人気をきっかけに再び注目を集めています。
- まほうのルミティア
2016年に登場した、「ゆめかわ」を取り入れた食玩のシリーズで、女の子の憧れ「まほうのアイテム」を展開しています。
「ゆめかわ」の由来
「ゆめかわいい」という言葉は、原宿系ファッションモデルのAMOさんが2013年頃からブログで使用し始めたのが始まりと言われています。
AMOさんは、幻想的でアンニュイなアイテムを「ゆめかわいい」と表現し、「ゆめかわいい」「ゆめかわ」という言葉は2013年から2014年にかけて急速に広まっていきました。
「ゆめかわ」の使い方
「ゆめかわ」「ゆめかわいい」という表現は、上に示したような「女の子の夢の世界を具現化した」ような特徴をもつイラストやグッズ、ファッションに対して用いられます。
例)
「この間ゆめかわなポーチ一目惚れして買っちゃった」
「その服とってもゆめかわいいね」
というように使われます。
しかし、「ゆめかわ」の定義にはあいまいな部分があり、下に示すような類似したジャンルもあるため、他人のファッションや持ち物をほめるときには使わないほうが無難といえます。
似たようなジャンルとの区別
「ゆめかわ」という概念には厳密な定義がないため、他のジャンルと重なったり、区別がはっきりしていなかったりする部分もあります。その結果、「ゆめかわ」かどうかは、デザインした人や身に着ける人の認識によっても左右されます。
また、「ゆめかわいい」「ゆめかわ」から派生した概念に、「病みかわいい」というものがあり、これはメルヘンチックな「ゆめかわ」の世界観に、包帯や注射、血液、薬などの「病み」要素をプラスしたものです。
「病みかわいい」も「ゆめかわいい」の一部だという主張と、「病みかわいい」と「ゆめかわいい」は明確に区別したほうがいいという主張があり、現在のところ、「ゆめかわいい」と「病みかわいい」の区別は曖昧なものとなっています。