「感銘を受けた」とは
映画などを見て、自分が「感銘を受けた」り、「感銘を受けた」としみじみと語っている人を見かけたことはありませんか?
「感銘を受けた」とは、「心に深く刻み込まれた感動や感激をしみじみと感じたさま」を表す慣用表現です。
「感銘を受けた」は、「感銘」と「受けた」から成り立っています。以下では、「感銘」に焦点を当てて見ていきましょう。
「感銘」の意味
「感銘」は、「肝銘」とも書き、「心の中に深く刻みこまれ、忘れることができない」という意味です。「感銘」を構成する「感」と「銘」は、次のような意味を持っています。「感銘」に該当する意味はそれぞれの語の1の意味です。
[感]
- 心に響いたり、心が動くこと。(感慨。感触)
- 物事に染まること。かかること。(感染。感冒)
[銘]
- 心に深く刻にむこと。(感銘)
- きざむ。しるす。(銘文)
- 上等なもの。(銘菓)
「感銘を受けた」の使い方
[例文]
- 私は大統領の就任演説を聞いて大変感銘を受けました。
- 監督の辞任に伴う最後の言葉はとても重厚で感銘を受けました。
- 美術館にて名画を鑑賞し感銘を受けて帰途につきました。
- いつも一生懸命に学校の周りを掃除する生徒たちの姿を見て感銘を受けました。
- 卒業式における先生方からのあたたかい言葉はどれも感銘を受けるものばかりです。
「感銘を受けた」の類語
「感服する」
「感服する」とは、「深く感心することにより、尊敬の気持ちをいだく」ことです。感心や感動により心が動かされるところは似通っています。尊敬の気持ちをいだく点においては、若干ニュアンスが違っています。
[例文]
- 危険をものともしない彼の行動には感服せざるを得ません。
- 彼の毅然(きぜん)とした態度には感服しました。
「琴線に触れる」
「琴線に触れる」とは、「心の奥底にある心情を刺激して思いを引き起こす」という意味です。つまり、「心の中にある思いが刺激され感動がわきおこるさま」を琴の糸を例えとした比喩的な表現です。「感銘を受けた」の類語と言えます。
[例文]
- 彼の演奏するヴァイオリンは、聴衆の琴線に触れるような美しい音色だった。
- 退任する恩師の言葉は私の琴線に触れるものでした。
「胸を打たれる」
「胸を打たれる」とは、「物事によって感動や感嘆させられる」ということです。感極まって胸を打つさまを「心が打たれる」例えとした比喩的な表現です。
[例文]
- 話題の映画を見て、胸を打たれれ、涙が出てきました。
- 勝者が敗者を称える光景は胸が打たれます。
「肝に銘じる」
「肝に銘じる」とは、「心の中に深く刻みつける」という意味です。「忘れることなく心の中に深く刻みこまれるさま」が、「感銘を受ける」と似通っていて類語と言えます。
この言葉は「肝」を例えとしています。肝(肝臓)は、臓器の中でとても重要な役割を果たしています。「銘じる」は、心に深く刻み付けることを意味しています。
[例文]
- 日々、私は交通事故の悲惨さを肝に銘じて安全運転をしています。
- 彼は父親の遺言を肝に銘じて一生懸命に生きています。
「感銘を受けた」の英語表現
「感銘を受けた」の英語表現では、「impressed」や「got a shock」「left a impression」などのフレーズで表現します。
英語表現は、「感銘」を「impression」(印象)という語で表していますが、「impression」よりもさらに強い「shock」(衝撃)が使われたりしています。
[例文]
- I was deeply impressed.(私は深い感銘を受けました。)
- I got a shock from her.(私は彼女から感銘を受けました。)