「立ちすくむ」の意味とは?
「立ちすくむ」とは、驚きや緊張、恐怖で体がこわばり、その場に立ったまま動けなくなる様子のことです。「立つ」と「すくむ」の2つの動詞が連結して成り立つ言葉です。
「立ち」は、文字通り足で真っ直ぐに立っていることを表します。一方、「すくむ」は、漢字では「竦む」と表記します。複数の意味がありますが、「立ちすくむ」においては、「驚きや恐れなどで極度の緊張状態になり、体がこわばって動けなくなる」という意味で用いられます。
「立ちすくむ」の使い方
「立ちすくむ」は、目の前に広がる光景などに、恐怖や驚きを感じている時に使います。なぜ「立ちすくむ」状態になったのか、具体的な状況や心情を交えると、そのニュアンスを明確に伝えることができます。
ちょっとびっくりした程度、というよりは、インパクトのあるできごとに対して用いるのが自然でしょう。事故や事件を目撃したことによる恐怖、あるいは思わぬ人に出くわした驚きなどによって、その場から一歩も動けないようなイメージですね。
「立ちすくむ」の例文
- 深い谷にかかる大きな吊橋を前に、高所恐怖症の友人は立ちすくんでしまった。
- 肝試しで入った建物の奥に、ふわっと光るものが見え、怖くて立ちすくんだ。
- 目の前でトラックが歩道に乗り上げ、私はその場に立ちすくむしかなかった。
- 自分より大きな熊に驚き立ちすくむ子を、父親はすぐに抱き上げ、静かに退避した。
「立ちすくむ」の類語
凍りつく
「凍りつく」(こおりつく)の本来の意味は、液体などが、温度の低い場所にあるために固体になることです。これを比喩的に、「凍りついたように体が固まること」を表す場合があります。
驚きや恐怖で体がこわばり動けなくなる様子を指す場合、「立ちすくむ」に近い表現と言えるでしょう。
【例文】
- 真犯人の凄みのある表情を目の当たりにして、彼は恐怖で震え上がり、凍りついた。
- 社長の発言から、リストラされる恐怖で社員一同凍りついてしまった。
腰が抜ける
「腰が抜ける」(こしがぬける)は、驚いて立ち上がる力がなくなる、驚きや恐怖を感じて立っていられなくなることを表す慣用句です。特に後者の意味は、「立ちすくむ」に似た表現と言えます。
【例文】
- 見事なマジックにびっくりして、腰が抜けてしまった。
- 近くの建物から火の手があがり、恐ろしくなって腰が抜けた。