「重宝」とは?意味や使い方をご紹介

「重宝」には読み方が2つあるのをご存知でしょうか。もともとは違う言葉であったのが、次第に混同されたという経緯があるようです。ここでは「重宝」の意味や使い方を、例文や読みの違いを含めて解説します。また、複数ある意味に応じた類語についても紹介します。

目次

  1. 「重宝」の意味
  2. 「重宝」の使い方と例文
  3. 「重宝」の類語

「重宝」の意味

「重宝」(ちょうほう/じゅうほう)には以下の3通りの意味があります。

  1. 便利である
  2. 宝物
  3. (2から転じて)大切にする

「重宝」の読み方

「重宝」の読み方には、「じゅうほう」と「ちょうほう」の2通りがあります。もともとは別の意味の言葉で、「重宝」(じゅうほう)と「調法」(ちょうほう)が混同されて使われるようになったという説が有力です。

【「重宝」読み方と意味の違い】

  • 「重宝」(じゅうほう)…大切な宝物のこと
  • 「調法」が後に「重宝」に(ちょうほう)…便利であること

現在は、一部の例外を除いて、どちらの意味であっても「ちょうほう」と読む方が圧倒的です。一部では、『「じゅうほう」と読むと鉄砲などを表す「銃砲」と勘違いしそう』という意見も見られます。

「重宝」の使い方と例文

1.便利

「重宝」はある道具や物、人を便利に使っていること普段の生活に役立っていること好都合な物を表せます。「調法」と表記することもあります。便利だとして人や物を喜んで使用する場合「重宝がる」という使い方も見られますね。

【例文】

  • ピーラー(皮むき器)は、包丁使いが苦手な料理初心者でも使える重宝な道具だ。
  • 風呂敷は持ち運びに幅を取らず、エコバッグ代わりに使えるから重宝している。
  • 達筆なCさんは、お遣い物ののし紙を書く時に重宝がられている。

2.宝物

「重宝」は宝を重ねると表記していることから、貴重な品物つまり大切な宝物という意味でも使えます。中国由来のことわざの例に、「重宝を懐く者は夜行せず」(じゅうほうをいだくものはやこうせず)が挙げられます。

これは直訳すると「貴重品を持っている者はみだりに夜歩きをしない」ことですが、「大きな目的を持つ人は自分自身を大切にすべきで、軽率な行動を取るべきでない」と比喩的に表しています。

【例文】

  • こちらの巻物は代々伝わる重宝だ。
  • 建物自体が歴史的建造物となり、自治体から重宝だと認定されている。

3.大切にする

「重宝」は貴重な宝を意味することから転じて、その宝のように大切にするという意味もあります。1の意味の使い方で紹介した「重宝がる」を珍しいものとして大切に扱うといった意味で使う場合もあります。

【例文】:今どき自分で縄をなえる人はいないと、祖父はお祭りの時の七五三縄作りで近所の人から重宝がられている。

「重宝」の類語

1.「便利である」意味の類語:利便性

「利便性」(りべんせい)は便利であることや、どのくらい便利なのか度合いを表す言葉です。「利便性が高い」(一般的な水準よりも便利である度合いが大きい)「利便性に優れている」(他よりも便利である点が優れている)などの使い方があります。

【例文】

  • こちらの鍋は当社の従来品に比べて、お客さまから利便性が高いと言われています。
  • 新製品は性能を見直して、他社よりも利便性に優れたものとなっている。

2.「宝物」「大切にしている」意味の類語:虎の子

「虎の子」(とらのこ)は、手元で大切にしていて離さない物、転じて、大切に隠し持っている金や品物を指しています。本来は「虎の子供」のことですが、虎の親が子供を大事に守って育てているところからこのような意味に例えられるようになりました。

【例文】

  • 虎の子の貯金をはたいて、車を買うことにした。
  • 大切な結婚指輪、私にとっては虎の子だ。

3.「大切にする」意味での類語:箱入り

「箱入り」(はこいり)は、箱に入っている品物を指すほか、高価な品物が壊れるのを防ぐため、もしくは、ご進物用(特別な贈り物用)の品を破損させないよう、しっかりと箱に入れて保管することをいいました。

それが転じて、箱に入れるように大事にするという意味で使われるようになりました。悪い人がとりつかないように大切に育てた娘や息子を、「箱入り娘」「箱入り息子」と表現する例もありますね。「箱入り」は大切な品物だけでなく、人物にも使えます。

【例文】

  • その壺は鑑定家になかなかない名品だというので、箱入りにしている。
  • 大富豪のAさんのお嬢さんは箱入り娘で、全然世間ずれしていないということだよ。


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