「名を連ねる」とは
「名を連ねる」の意味は、以下の2つです。
- 関係者として名簿に名前を載せる
- 特定の団体や組織に関係者の一人として加わっていること
単に名前を並べるだけでなく、それが公になるというニュアンスを含むことがあります。名前が載ることで世間から(多くの場合プラスに)評価されたり、その人のステータスになったりする、というイメージです。
「名を連ねる」の使い方
「名を連ねる」が使われる例を挙げてみましょう。1の意味では、たとえば会社を設立する際の発起人として、定款(ていかん)などに署名するような場合や、何かの声明文などに名前を載せる場合が考えられます。
2の意味も「人の名前」を対象にして用いることが多いものの、意味を幅広くとらえ、慣用的に組織や会社などの「団体」も対象とすることがあります。
「◯◯ベスト10に名を連ねる」のようなカジュアルな使い方や、「大手企業が名を連ねる」といった言い回しもみられます。この場合は、「◯◯の一つとして数えられる」と言い換えることもできるでしょう。
例文
- 今度、新しいプロジェクトを立ち上げることになったが、君にぜひ発起人として定款に名を連ねてもらいたい。
- A選手は、日本代表チームの一員に名を連ねている。
- B君は、全国模試の成績上位者に名を連ねる秀才で、現役で東大合格間違いなしと言われている。
- 軍事基地建設反対運動には、弁護士、政治家、大学教授など著名人が名を連ねていた。
- 先日、日本の棚田百選にも名を連ねる、美しい千枚田を見に行ってきた。
- 大型フェスの参加アーティストには、海外の有名ロックバンドや大物シンガーも名を連ねている。
「名を連ねる」の類語
「連名」
「名を連ねる」と同じ漢字を用いる、「連名(れんめい)」という言葉があります。これは「二人以上の人が名前を並べて書くこと」で、「名を連ねる」の1の意味に近いでしょう。
【例文】
- いつも家族連名で年賀状を出していたが、子供が独立したので、来年からは夫婦二人の連名で出すことになった。
- 結婚内祝いののしは、両家連名とすることに決まった。
- 住人や管理組合理事長らの連名で、マンション建て替えの要望書が提出された。
「参加する」
「参加する」は、広く一般に浸透している、身近な言葉のひとつです。意味は、「何かの集まりなどに加わって、一緒に行動すること」です。「加わる」という点で「名を連ねる」の類語です。
「参」は、多義語で、①「目上の人のところへ行く:(参上)」、②「神社仏閣に詣でる:(参拝)」、③「あつまる。くわわる:(参加。参列)」、④「くらべる。調べる:(参考。参照)」、⑤「負ける:(降参)」などの意味があります。
「参加」の「参」は③の意味で、「加(わる)」と結びついて、意味を強調しています。
【例文】
- 地域の運動会に参加する人を回覧板で募集した。
- 歴史ハイキングに家族で参加して、古代ロマンに思いをはせた。
「参画する」
「参画(さんかく)する」とは、「事業や計画などに加わること」を言います。あまり聞きなれない言葉ですが、最近では「男女共同参画社会」などという言葉を見聞きした方も多いでしょう。
「画」は、絵画・映画・図画など視覚的な意味を思い浮かべますが、それ以外に、企画・計画など「考える。はかる」という意味を持っており、「参画」の「画」はこの意味で使われています。
【例文】
- 政治学者のA教授は、政府の諮問委員会に参画することになった。
- 某企業グループが駅前再開発計画に参画すると報道された。
なお、男女共同参画社会は、次のように説明されています。
「参与する」
「参与(さんよ)する」もあまり聞きなれない言葉ですが、「物事にかかわること。相談を受けること」という意味です。また、「参与」には「学識経験者を行政に参加させるときの職名」という意味もあります。一般企業にも「参与」という役職があるようです。
「与」には、①「与える:(贈与)」、②「くみする:(与党)」のほかに、③「あずかる。関係する:(関与。参与)」という意味があり、「参与する」は、物事に参加して関係するということになります。
【例文】
- 内閣官房参与とは、総理大臣の相談役的な役職で非常勤国家公務員の身分があるそうだ。
- 司法試験委員も務める○○教授は、民法改正草案に参与している。